外道図鑑 by:ユニコーン

はじめに
外道紘からメールが来た。
「おうおう、この野郎、明けましておめでとう。しかしなんだな、ユニコーンよ。せっかく2002年投稿大賞をやったのに梨のつぶてはねぇんじゃねえの??仮にもよぉ、タイの風俗サイトでは誰もが認めるナンバーワンサイトの投稿大賞だよ、大賞。普通だったら「お礼のしるし」とか、「他の外道士族の範となるため」とか言って、エッセイ、体験記の5,6本も送ってくるのが筋ってもんじゃあねぇのかい?バカな頭だって絞りゃなんか出るだろう。締め切りは週末だ。まってるぜ。」
冷や汗をかいた。顔から火が出る思いだった。(以下 田口トモロオ風)
誰のおかげでここまで外道を歩んで来れたのか・・・。男は立ち上がった。
 風の中のすーっばるー・・・・・
と言うわけで(ってどういうわけだ)、体験記なりエッセイなりを書こうかなと思ってふと振り返ると・・この頃全く遊んでない(冷)。すでにタイの風俗とそこのおねーちゃんに200万円は落としているはずの僕が、この頃ではひょんなことから捕まえた素人娘のアパートでまったりしてばかり居て、ネタがない。どうしよう・・・そうだ!!他人事を書いてしまおう。僕の周りにいる外道達のネタをここに公開してしまおう。ルール無用の外道と呼ばれようとなんだろうと、知ったことではない。
メチャメチャおもしろい経験してるのに人に教えない外道平民が悪いんだい。
と言うわけで、僕の周りにいる外道平民達の赤裸々な姿をここに紹介します。「三人称で書いてるけど、これって本当は本人のことだよね。」なんて変な勘ぐりは入れないこと。

外道紘:2002年度の投稿大賞を取ったユニコーンさんに新連載の寄稿をお願いしました。此処では主にユニコーン氏と同じ駐在外道達の鬼畜にも劣る蛮行を報告して貰うことになりました。
タイの風俗誌G-DIALYは最近スクンビット村更年期婦人会のG誌不買運動にビビって”駐在員で愛人を持つなんてことは実際には希で、Gの読者は本誌を読んだからといって愛人を囲うようなことはない”みたいなことを書いていた。誰より良く実態を知ってるくせに良くそんなことが言えたもんだ・・・北朝鮮みたいなこと言ってないで洗剤でうがいしてほしい。オレのサイトは日本人村とは関係ないのでガンガン行くぞ!
ユニコーン氏もまた、同僚や上役はもちろんのこと掟破りにも顧客や取引先駐在の下劣な行状を暴露しまくり、たとえその家庭が壊れようと、娘がグレようと、インターに行ってる息子と風呂屋で鉢合わせしようと、オレの知ったことではない。いわば日常軽くジャブ事なのだ!!というような意気込みを背負いつつ、その見事な文章表現力を駆使して日本経済海外進出史の裏面である現地妻事情を余すところ無く暴き立てて欲しい。
外道の細道






第1話 カラオケ嬢の本気



 カラオケは我々小金持ち日本人のオアシスである。たいがいの駐在員であれば行きつけの店の2軒や3軒、馴染みの女の3〜4人は必ず居るはずである。僕がかつて「ガラウェイの香り」で書いたようなベタな話はいくらでも転がっているだろう。

 ここはあくまでも疑似恋愛をするところなので、お互いに本気になってはいけない。普通男が本気になるのだが、だいたい不幸な結果を招くことになっている。「帰国命令が出た途端に辞表を出して女と暮らし始めたが金が続かなくなり、結局全てを失った」なんて言う話もバンコクの野良犬ほどではないにしろ掃いて捨てるほどあることは確かである。「金の切れ目は何とやら」を地でいくようなベタな話であり、はっきり言って誰も同情してくれない。

 しかし僕は女の方が本気になってしまった話を知っている。本気になられたと言うよりは、ちょっとやばい女に魅入られたと言うべきかも知れない。よく自慢げに「いやぁ、カラオケの女に惚れられちゃってさー。」と吹聴している駐在員を見かけるが、多分これとは明らかに違う。僕の知人のN村さんのお話です。

 N村さんは働き盛りの駐在員、ゴルフ焼けの精悍な顔に学生時代はテニスをしていたというしなやかな筋肉の持ち主。ただしどちらかというとおっとりしている方で、積極的にカラオケの娘をくどくタイプではない。しかし背広のセンスも良く、ヒゲのそり残しなどしない清潔さも相まってか、見た目第一のタイでは当然モテる。ましてや金払いの良いさっぱりした性格なのでモテない方がおかしい。カラオケ店でお気に入りを指名してボックス席に入っていても、その娘がトイレに行った隙に別の女の子が膝の上に座りに来るほどである。
 周りは当然気分が悪い。でも仕方がない。

 ある時初めての店(オフ無し)の店に行ったとき、彼はいかにも純情そうな若い子を指名した。ノンというその娘は彼の腕の中に体を丸めるようにしてとても幸せそうな顔をしていたし、N村氏ももちろんまんざらではなかったらしい。

 小一時間歌い騒いだころだろうか、N村氏がトイレに立ってしばらく帰ってこないことがあり、周りは「あれ、大きい方?やだなぁ、N村さん、こんなとこで」と笑っていた。

 しかしトイレから帰ってきたN村氏は、何か焦点の定まらないような目をして、歌うどころか口も利かずただただ水割りを口に運び、ノンはといえば、うっとりとした目で彼に寄り添っていた。

 帰りのタクシーの中で彼は重大発言をした。「あの娘に犯された」??周りは言葉を失った。

聞けば彼がトイレに立ったときに、ノンは「あたしも」と言って一緒にトイレに入ってきたそうな。男性用の朝顔と女性男性兼用の個室が3つ並んだやや大きめのトイレではあるが、背後の個室に人の気配を感じながらのオシッコはあまり気持ちのいいものではない。

 彼もそのことがチラッと気にかかったものの、特に口には出さずに彼女と一緒にトイレのドアを締めたのだが、その次の瞬間彼女に腕を捕まれ個室に引っ張り込まれたそうだ。そして熱烈な口づけをしながら、強引にズボンを脱がされそのまま便器の上で「犯された」らしい。どうにも信用できない話に一同は様々な反応をしたが、ろくに女を口説きもしない彼がそんな嘘をつくはずもないことから、どうやら本当のことらしいと言うことになった。

 用意周到にコンドームを持参していたという彼女に上に乗られたまま、「恥ずかしながらアッという間に・・(本人談)」コトは済んだらしい。

 その後彼はその店に何度か通うようになるが、一人で行ってもVIPルームを使わされ、内側から鍵をかけたその部屋でやはり「犯された」ことが何度かあるらしい。

 ノンはいわゆる淫乱だった。同伴出勤の時にも出勤前にホテルに行き、彼は2回ほどお勤めをさせられることになる。もちろんセックスに関して彼にお金を要求することはなかった。

 僕はあるとき、彼の隣に座っているノンに冗談で「今度は僕が君を気持ちよくしてあげる」と言ったことがある。彼女の返事は「N村さんがいい。他の人では気持ちよくない。」とのことであった。

ここで「N村氏、名器説」が突如浮上する。やれ「長さ20センチ」だの「コーラビンの太さだ」とか。しかし本人曰く「体の割には小さくて・・」と言うことであり、これも氏の性格からして嘘ではないと思う。

 結局「男と女の相性」と言うことで口さがない連中の噂話は決着したが、N村氏本人は、彼女と別れることが出来なくてけっこう困っていた。3日も連絡をしないと夜中にも携帯に電話が来る。携帯を切っておくと会社に電話が来る。

 体力自慢の彼も3か月目には少しやつれて見えた。好きなゴルフの回数も格段に減ってしまった。もちろん他の店など行けるわけもなく、タニヤでは「N村氏は帰国したらしい」と女の子が噂していた。

 奥さんは本気で彼の体を心配しているらしい。曰く「仕事はほどほどにして少しはゴルフで発散した方がいいわよ」

 無責任な周囲は円満な別れ方を指南した。

 「女の腹の上でウンコすれば簡単に別れられる」
 「ロープで縛らないと興奮しなくなったと言う」
 「無理矢理アナルに入れる」
 「高級バイブを身代わりに買い与える」

 本当に無責任だが、はっきり言ってこんな彼に同情する奴はやっぱり一人も居ない。 

 何とも羨ましいような、悲しいようなお話。彼は外道でしょうか。それともただの幸せ者?





第2話 イサーン娘が最高

 マニアというのはどの世界にもいるものである。完全なホモというわけでもないのにLBが好きというのもある種マニアだと思うが、こういう人はファランをはじめとして驚くほど多いので、たいして珍しくもない。もっともLBの話は次の機会に書くつもりなので、あえて今回は多く語りません。

 普通の男性であれば女が好きなのは当たり前である。「美人が良い」「スタイルのいい女が良い」「おとなしい女が良い」等々、女の趣味は人それぞれであり、この趣味は国民性でまたしても特徴を現す。タニヤ辺りで働いている女性は「北」の生まれが圧倒的に多い。これはなぜかと言えば「色白は日本人受けするから」である。ファランの趣味はナナ〜アソークあたりを5〜6分うろつけばすぐに分かるとおり、色黒で鼻の穴が前を向いた「南」のタイプである。そして忘れてならないのが「東北」つまりイサーンである。イサーンはタイでも有数の農業地域(他の産業がない)であると共にもっとも貧しい地域のひとつである。イサーンの娘もやや色黒で小柄であり、けっこう可愛いので僕も嫌いではない。

「デブ専」「ブス専」「ババ専」とくれば、ありきたりのマニアであるが、今回はイサーン娘にこだわり続けるT橋氏のお話。

 T橋氏がバンコクに赴任してから6,7か月目のころ、接待が多いため夜はほとんどタニヤで過ごしていた彼は、お気に入りの娘も何人かできタイ語も上達したので、囲いはしないまでもジャブ代わりに「短期愛人契約」のパンチを繰り出しては店外でもそこそこ楽しむ、いわゆる「普通の駐在員」となりつつあった。

 しかしT橋氏は心の底で何か物足りなさを感じていた。色も白くなかなかの美形、スタイルも良く、品もいい。女性としては、と言うよりは「Part time lover」としては申し分ないはずなのに、何か足りない。自分が女性に求めているのはなんなのか、自分でもそれが分からなくなり、タニヤの遊びからちょっと心が離れかけていたと言う。
 
 そんなある日、彼は日本から来た友達を連れて、ソイカウボーイに行った。WEBで情報を仕入れてきたその友人のリクエストだった。場所は知ってるものの初めて行くソイカウボーイは、タニヤに比べると「お化け屋敷に見えた」そうである。

 そして一件のagogoで、彼は「ストライクゾーンど真ん中」を見つけたという。女の名前は「スック」、ナコーンパノムの西50キロくらいにある小さな村から来た彼女は、色はやや浅黒く小柄、ポッテリとした唇に一重まぶたという「田舎娘」そのものであった。たしかに24歳と言う実年齢よりは相当若く見えるものの、一緒に行った友人は「???」と、コメントを避けたらしい。
 
 数日後T橋氏は、タニヤのある店でやや興奮気味にこう話していた。「いいよー、イサーンの娘。素朴で味わい深い。特に農家の娘が最高。」彼によれば、田舎からポッと出の娘は客を楽しませようと媚びることをしない、話術も接客も何もない。しかし元々性格が素直なので打ち解けるのは早いし、一緒にいて「肩が凝らない」のだそうだ。タニヤの女は徹底的に接客を仕込まれているだけに、会話がとぎれることを嫌い、あれこれと話しかけ、お世辞を言い、ましてや簡単に「好き」だの「愛してる」だのと言うから白けるのだ、と。

 「農業ではほんの少しのお金しか稼げないから、自分がバンコクに働きに来た。」と素直に言い、ホテルでもどうしたら相手が気持ちよくなるのか様子を窺いながら一生懸命尽くすのだそうだ。

 そして最後に彼はこう言った。「ガキの頃田んぼに出ていた女の手は触るとすぐ分かる。そういう手を触るとそれだけで勃起する」と。
 山陰の田舎で農家の次男として生まれたT橋氏は高校卒業まで地元で暮らし、その間に付き合った初恋の相手の手も「女にしてはガサガサだった。」そうである。

 多分T橋氏のトラウマはこの辺にあるのだと思う。彼は思春期に初めて握った異性の手を追い続けていたのだろう。そして彼が見つけたのが、イサーンの農家の娘だったというわけである。イサーン娘のちょっとガサついた手で体を触られたとき彼は、一日のうち8時間を勃起して過ごす中学生に戻ってしまうのである。

 それからのT橋氏は、ソイカ、ナナに足繁く通うようになり、とうとうスティッサン、つまりサパーンクワイ地域に入り浸るようになる。
 
 接待で必要なときしかタニヤに現れなくなったT橋氏とたまに女の話をするといつもイサーン娘の話である。曰く「知ってる?農家って中腰の仕事が多いから娘達のお尻の筋肉はすごく堅いんだよ。だからセックスもすごく良いんだよ。」

 うーん・・・マニアックな外道だなぁ。





第3話 LBの妖しい魅力


 この星には男(オス)と女(メス)の2種類しか居ない。うちの会社の社員証を作るとき申請書の「SEX」欄に「not so many」とマジで書いてきたタイ人もいるにはいるが、普通は「Male」「Female」の2種類しか居ない。
 しかしここタイにおいてはLB(レディボーイ)と呼ばれるいわゆる「中間性別者」が驚くほど多く、また市民権を得ているから驚かされる。誰も彼(彼女)らを偏見の目で見ることはなく、そういう友達を紹介するときも「彼女はガトゥーイ(オカマ)なの」と声のトーンを落とさずに平気な顔で言ってのける。紹介された方もちょっと照れくさそうににっこり笑うだけである。
 最初これをやられたときには普通の日本人であれば言葉を返すことが出来ないが、やはりここは「綺麗だね。」とこちらもにっこりと微笑み返してあげるべきだろう。何しろ彼らは「きれい」と言われることが何よりの喜びであり、その瞬間こそ「男」を捨てた甲斐を感じる瞬間なのだから。
 確かにタイのLBは驚くほど質が高い。本物の女と勘違いしてベッドインする男も出てくる。彼女(LB)は自分が男であることを隠しはしなかった。「女」と思いこんだ客が訊ねることもなくホテルへ誘ったのだから彼女に責任はない。
 今回はこうして最初は戸惑いながら、いつしかその妖しい魅力にどっぷり嵌ったS君のお話。

 S君は運び屋をしている。もちろん危ないものを運ぶのではなく日本料理店向けの食料品を運んでほぼ毎週訪タイしている。かつてはホテル住まいだったが、効率を考えて最近は安いアパートを借りて半駐在のような生活をしている。
 彼がまだホテル住まいの頃、一人で出かけたagogoがKC3だったそうな。そう、今でこそ誰もが知っているLBの牙城である。初めての観光客というわけでもない彼は「オカマみたいなのが多いなぁ」と思ったそうである。がしかし、華奢で愛くるしい顔をしたダンサーを隣に座らせて話をしたとき、喉仏もなく可愛らしい声であることから、彼は「女」と確信して連れ出すことになる。
 ホテルに連れて帰ったとき、IDをあずけたホテルマンがちょっと眉を動かしたことに彼も気づくべきだったのだろうが、一刻も早く彼女をスッポンポンにしたい欲望で高ぶっていた彼はそそくさと連れ込み料を払ってエレベーターに乗り込んだ。
 
 「一緒に風呂に入ろう」というS君の申し出をやんわりと断った彼女は、一人でシャワーを浴びるとバスタオルを巻いて出てきた。むしゃぶりつこうとする彼をこれまたやんわりと制して彼女は部屋の明かりを消し始めた。せっかくのプロポーションを見て楽しむことが出来ないと苦情を述べる彼を、今度は少々厳しく制して彼女は部屋を真っ暗にした。
 オッパイは素晴らしい弾力、ディープキスは心まで溶かすよう。そのうえ、積極的に上になり、首からお腹、そして股間までくまなく丁寧に舌を這わせてくれる。そしてディープスロートばりのフェラはツボをよく心得たプロの技で、S君は「思わず声が出てしまった」そうである。 
 そのままイカされそうになったS君が彼女の上に乗ろうとすると、すごい力で抵抗され「実は私男なの・・。」と告白(??)されてしまった。

 普通の男だったらここで逆上するか萎えるかのどっちかだろうが、すっかり彼女の技でトロトロになっていた彼は、酔いも手伝ってか即座に「かまわないから入れさせろ」と迫ったらしい。
 元々好奇心旺盛だったS君だからこその決断だったかも知れないが、彼女の手を借りてアナルに挿入した彼は「こんなに良いものとは知らなかった」と感激したらしい。また、セックスしながら彼女のペニスを手で愛撫して、堅くなってきたときは「ドキドキした」そうである。
 終わった後かすかな罪悪感と嫌悪感を覚えた彼はその日は後悔しながら彼女を追い返し、独り寝したそうであるが、その後もあちこちで遊んでいるうちに、あの倒錯した快感を忘れられない、忘れられないどころか日に日に思いを募らせていく自分に気がついた。
 
 久しぶりのLBは彼を興奮させた。「新鮮だった」と彼は言う。
 最初のうちは同じ娘を何度か連れ帰っていたが、違う店でも可愛いLBを見つけてはつまみ食いをするようになる。いつしかあちこちの店に馴染みの娘が出来るようになり、店に行くまでもなく電話一本で彼女たちを呼びだして遊びに行ったりするようになった。
 女は見た目で選んでも失敗することが多いが、LBは見た目とほんの少々の会話で選べば、ほとんど失敗しないそうである。
 元々男である彼女らは男の喜ばせ方を知っている。マグロにあたることはまずあり得ない。たとえノンケの相手でも満足させる自信とそれに見合うテクニックを持っているのだから当たり前だ、とS君は話してくれた。
 こうしてすっかりバイセクシュアルの味を覚えたS君は、可愛いLBの虜となっていく。美しいLBが股間の肉棒を堅くしている絵はビジュアル的にも素晴らしいと彼は言う。
 彼の趣味は華奢で可愛らしい顔つきのLB。曰く「素っ裸にして自分でオナニーさせて、それを眺めているとしゃぶりつきたくなる」

 LBの中には手術でちんちんをとってしまい、人工の膣を作ってしまった者もいるらしいが、これはいけないらしい。やはり上半身と下半身の信じられないギャップが彼を興奮させるらしい。
 何人かのLBと関係を持ったS君が言うには、LBで立派なちんちんを持っている者は少ないらしい。元々は大きくても女性ホルモンを接種するうち徐々に小さくなっていくらしい。また、精子を作る能力も低下していくため、射精しない、若しくは射精してもほんの少し「水っぽい」のが出るだけ、という者も多いらしい。しかし、ほとんどのLBはちんちんを勃起させるし、射精によって快感も得られるようだ。
 最近彼にあったとき冗談半分に聞いてみた。「犯される快感には目覚めたのかい?」「いやぁ、それだけはちょっと抵抗がありますよ。もしそっちに行っちゃったらもうノーマルに帰って来れないでしょう。」
 S君はなぜか僕の目を見て話をしなかった。





第4話 愛人狂物語


 我々バンコクの駐在員がみんな愛人を持ってるって?そりゃ心外だなぁ。全部が全部じゃないですよぉ。多分95%くらい・・・。確かに愛人を持っていない方が珍しい。駐在員の奥様方だって自分の亭主に愛人が居るかどうかなんて分かってるはずでしょ?
 若い頃日本でそれほど遊びもしないである程度の地位を手に入れて海外駐在になる。そこそこの給料と手当をもらっている上に接待も多い。飲みに行けばほとんどの場所でチェンマイやチェンライ出身の色白の色っぽいねーちゃんが隣に座ってくれる。その上彼女らのほとんどは月数万バーツで囲える「愛人予備軍」なんだから、これで愛人を持つなと言う方が無理。絶対無理。
 日本だったらちょっと格好いいロマンスグレー(古っ)でないと飲み屋でモテないし、ましてや愛人なんて言ったら相当の金持ちでないと持てないけれど、ここタイではお小遣い程度で簡単に愛人が持てるうえに、相当なブ男でない限り背広来て金持ってればほとんどOK。
 奥様方もこりゃ仕方ないと思ってあきらめてもらわないと。きっとあなたのご亭主も日本に帰ったらまじめなお父さんに戻りますよ。きっとね。
 と言うわけで、今回は珍しくもない駐在員のミヤノイ(愛人)の話。

 日系企業の管理職としてアユタヤの工場とバンコクの事務所を忙しく往復しているM田氏は50代とは思えないほどエネルギッシュで仲間内ではつとに有名である。そのエネルギーの元はと尋ねると彼は臆面もなく「若い娘とのエッチ」と答える。酒が好きで女が好きで、若い女とのセックスはもっと好きという彼にとって、ここタイはうってつけのおあつらえ向きであった。
 接待も多い彼は週2回程度の割でカラオケに繰り出す。相当なスケベで浮気者に見える彼であるが、愛人は常時一人しか居ない。一時(いっとき)にという意味である。
 カラオケ嬢やMP嬢を愛人にして囲っては、2か月くらいの短期で別れてしまう。そうやって次々と愛人を作っていくのである。普通タイの女は一回愛人にするとなかなか別れることは難しい。情がどうこうと言うことではなく、せっかくの金蔓(かねづる)をそう簡単には離さないと言う意味である。

 しかし彼はいとも簡単に別れては、次に乗り換える。どんな技を使って女と別れるのかある日僕は彼に聞いてみた。
 曰く「タイの女にやられてることをやり返せば良いんですよ。タイの女は金蔓が出来ると『親が病気だ』『兄弟が事故を起こした』と言っては金をむしろうとするでしょ。どうせ外国人には話が本当かどうかなんて分からないと思ってる。だからこっちも同じように『日本の親が入院したから金が必要になった。来月から1万バーツしかあげられない。』と言えばたいがい向こうから別れていきますよ。」
 ちょっと殺伐とした話ではあるが、なるほどと思わせる説得力はある。
 こうして彼は今まで何人ものミヤノイを囲ってきた。

 彼の外道たるところは水(お湯)商売の女に限定しないと言うことである。
 彼の会社の工場にはタイ人従業員が約200人居るそうである。いわゆる工員として働く彼らの給料は4500〜6000バーツ。この中から若くて可愛い娘を口説くのである。
 工場で見つけた20歳の処女を愛人にしたと聞いたときは、首を絞めてやろうかと思うほど羨ましかったが、このおねーちゃんもなかなかのしっかり者で、M田氏が月3万バーツプラスアパートの家賃を提示したのに対して「私は処女なので、もう少し考えて欲しい。4万バーツであればあなただけの女になります。」と答えたという。
 こうまではっきり言われては逆に反論も出来ずM田氏ははれて処女の愛人を囲うこととなった。
 ラチャダーにある新しめのアパートをあてがい、記念すべき最初の夜はシャンペンを買い込んで彼女の部屋を訪れることになる。
 50歳を過ぎて自分の娘より若い処女を頂く感動に氏は「指がふるえた。」と話してくれた。
 痛がる彼女をなだめすかしながら貫通式を済ませるまでに2時間を要したという話はいかにも生々しく我々中年男子を勃起させるに十分な内容であった
 真っ白なキャンバスに好きなように絵の具を塗りたくるように、彼は若い彼女の体を堪能し、かつ、自分好みに仕上げていく喜びを心ゆくまで味わったのである。
 「上手なフェラを仕込むのに2か月。いろんな体位を仕込むのに1か月。でもそれを過ぎると新鮮味が無くなる。」何とも贅沢な話ではある。
 
 4か月が経った頃、M田さんは彼女を手放す決心をする。いつものように「親が入院し金がない。」と切り出した彼に彼女は「1万バーツでも良い」と返事をした。驚く彼に彼女は「工場で働いても4500バーツにしかならない、だったらここに住ませてもらって1万バーツもらった方が親に仕送りも出来るし、楽しい。」と言ってのけた。こうまで言われると元々嫌いになったわけではないので、M田氏も別れることが出来なくなり、結局1万バーツでもうしばらく囲うことに決めた。

 M田氏はそれから現在までずっとその娘を囲ったまま、他の愛人を持つことをしない。周りは「自分の娘より若い女に惚れちまったんだ」と噂していたが、どうやら惚れたわけではないらしい。
 ある日彼はその理由を話してくれた。
 「一人の女だったら頑張れば1か月に15回くらいエッチ出来るでしょ?(それにしても2日に1回だけど)もし2人囲ったとしたらどう頑張ったってそれぞれ10回がいいとこでしょ?(それにしたって月20回?)月極で囲ってるんだから数が減ったら単価が上がるじゃないですか。」
 いやはや何ともすごい人が居たものだ。最近まで処女だった20歳の女を1万バーツで囲って、月15回ですか?
 単価??1000バーツ切ってますけど・・・・。 
 
  





第5話 ひよこっちフリークの未来


 タイをはじめとするアジア各国で外道を自称する者の中にはけっこうヒヨコマニアが多いことは周知の事実である。
 完璧なロリコンになると、エッチなんて到底できっこないような小学校低学年くらいの子のパンチラを見てイッてしまうそうであるが、そこまで来るともう僕が何か語れるような世界ではないが、ちょっと年齢をごまかして働いているひよこっちにはけっこう出会えるのがアジア風俗であり、これは僕も嫌いではない。
 しかし、ひよこっちフリークの殿堂バンコクコージーも店を閉めてしまったし(再開の話って本当??)北の置屋も先々週行ってきたが今ひとつ盛り上がっていない。ましてや当局の取締の厳しくなったバンコクではもはやひよこっちに会える確率は格段に下がっているのではないだろうか。
 よくナナあたりで「ロリ顔の20歳、ボリガーン・ディー」などという投稿を見かけるが、ベッドでサービスのいいひよこっちなんて邪道だ、というのが本来のひよこっちフリークの意見らしい。
 一般には「はずれ」と言われる冷凍マグロが当たり前のひよこっちフリークの世界。ちょっと倒錯してる世界でもあり、描写には気を遣うけど、外道たればこそいざ語らん。

 Kさんは自称「ひよこっちフリーク」ではあるが、本人も「真性」なのか「仮性」なのか分からないと言う。
 かつてメーサイに出張したときにトゥクトゥクのにーちゃんに連れて行かれた置屋で、魔法使いサリーちゃんくらいの年齢の娘をあてがわれたときは「正直言ってひいた。」そうなので、真性とは言い難いと思う。ただし「痛がって仕方なかったので、結局貫通できずに手でしてもらった。」といいながら、「もうちょっと時間かければ出来そうだった。」と言うあたりは真性の香り漂うところでもある。
 Kさんのお気に入りは、山口百恵や桜田淳子がデビューしたあたりの年齢で、もちろん経験が少なくシャイでマグロ。乳は大きくない方がいいらしくデブは嫌い。
 タイ人は元々子供っぽく見える民族なので、この辺の年齢とサリーちゃんの年齢は本当は大して離れていないのかも知れない。

 彼がひよこっちにハマったのはコージーだった。コンチアに勧められて覗いた当時の子供部屋に「ひと夏の体験」年齢の女の子を発見した彼は、「あんな娘と出来るのか??」とコンチアに聞いたところ、「3人目だから大丈夫」と言われ5000バーツを支払い個室で彼女と向かい合った。
 チェンライから来たという彼女は終始俯き加減でボソボソ話し、それほどタイ語が堪能でなかった彼はなかなか打ち解けることが出来なかった。薄い肩、盛り上がりの乏しい胸、棒のような足、全てが「女」のそれではないように見えたが、それでも彼は笑顔を絶やさないように気を付けながらおどおどする彼女を裸にし、一緒に風呂に入った。
 内側からの圧力に耐えきれないと言う風情で張りつめる小さな乳房、贅肉の全くない下腹部にこんもりと盛り上がるような丘が存在し、中心部の溝の上部に産毛のような陰毛がわずかに生えている。普段ならおねーちゃんにお任せで洗ってもらう彼が攻守交代して彼女の体を隅から隅までを洗い尽くし、ようやくベッドに横たえたときはすでに1時間が経過していたという。
 胸を触るだけで体を固くし、足を開かせようとすると力を入れて抵抗する、やっとの事でこじ開けるとバスタオルを顔に当てて恥ずかしがる。戸惑ったのは彼の方である。いくら初めてではないと言われても、こういった女性の反応を経験したことがない彼はとにかく彼女がおびえないように優しく、そしてゆっくりと彼女の体を舌で愛撫し始めた。
 敏感に反応し、ときおり体をくねらせながら堪えきれず声を上げる彼女の体に汗がにじんだ頃、やっと彼は1本の溝に見えるその部分に指を這わせた。驚いたことに大量の愛液がシーツにこぼれるほどに滴っているのを発見した彼は突如急激に興奮し、コンドームを装着することも忘れて反り返る分身を熱く濡れそぼった溝にあてがった。
 行く手は固い壁に阻まれているようでまるで入り口が見つからない、探るように分身の先端を上下させていると、不意に「ツルッ」という感じで頭の部分が滑り込んだ。同時に強く体を硬直させた彼女はタオルの下でくぐもった声を上げ、片手は彼のお腹あたりを押し返すような仕草をした。「輪ゴムで縛られたような感じ」のかすかな痛みと強い快感を得た彼は瞬時に「ノー・リターン・ポイント」に達してしまい、慌てて自分のそれを引き抜くとひよこっちのお腹の上に白濁の液をぶちまけた。
 この瞬間に目から火花が飛ぶほどの快感を経験してしまった彼はひよこっちフリークの仲間入りをしたわけである。

 結局この時の彼女をその後も4回ほど指名し、「痛がらなくなるまで」通い続けたらしい。曰く「他の乱暴な奴らにやられるくらいなら俺が優しくしてあげたかった。」
 その後も仲良くなったコージーのコンチアから「新人が入った」と連絡を受ければ飛んでいく日が続き、ある時とうとうバンコクのお風呂で処女にも巡り会ったという。
 サイアムあたりでも「似非ひよこっち」はいくらでも見つかると言うが、本物と似非の違いは「濡れ方」だという。曰く「あまり経験のないひよこっちは、緊張と羞恥心のため快感を快感として認識しない傾向があるが、体だけは不慣れな刺激に過剰に反応してしまい、とにかく濡れる」のだという。すっげー科学的に聞こえるところがやっぱりマニアック?。
 
 彼がひよこっちフリークの道を順調に歩めたのは地方出張が多いセクションにいたこともひとつの要因であったろう。チェンマイ、チェンライ、メーサイ、コンケーン、ウボンと言う地方都市にはいまだに置屋が数多く存在し、ちょっと前まではサリーちゃんもゴロゴロしていたという。探し方は簡単、トゥクトゥクのにーちゃんに「サーオ、サーオ」といえば好みの女が見つかるまでしつこく置屋を回ってくれる。
 ちょうどいい年頃で、経験の少なそうなひよこっちを見つけると二晩くらい借り切って思う存分味わい尽くすのが出張の時の彼の楽しみだった。
 ひよこっちの醍醐味は、「最初は不安そうな顔をしている娘が、あそこをビショビショに濡らして、自分の意志とは関係なくイッてしまうとき。」だそうである。長いときは40分も舌で愛撫を続けると言うから、いやはや、何ともご苦労なことです。
 
 こんな彼が最近いつも愚痴るのが「ひよこっちがいない」ということである。ナナやカウボーイにも年齢をごまかして働いている娘はいるけれど、似非ばかりで本物が居ない。サイアムあたりに行ってもやけに商売熱心な「自称素人娘」にしか出会えない。北の置屋でもやり手婆が当局の目を気にしている等々、彼の愚痴はだんだんトーンさえも下がっていった。
 ところが、ある時ひょんなことから隣国に出張に出かけた彼は以前から行ってみたかったあの村に足を踏み入れることになる。
 彼は心の中で歓声を上げた。そこには彼にとっての楽園があった。「ひと夏・・」年齢のベトナム人少女達が彼を取り囲み、ほとんど拉致状態で置屋に連れ込まれ、アイスコーヒーをおごってやるだけでキスの嵐を降らせてくれる。
 おまけに選び放題とも言える圧倒的な人数と店の数、「ここに住みたい」と彼は本気で思ったそうである。
 ベトナム人少女の特徴として、あっけらかんとし過ぎていると言う点は否めず、似非の確率が高いかと最初は警戒していたKさんであったが、やはり二人っきりになればシャイなひよこっちは多く、彼は恥ずかしがる彼女たちをことごとくエクスタシーに導き、また、そのタイトな体を心ゆくまで味わい、大いに満足してタイに帰国した。

 その後彼は何かと理由を付けては隣国へ出張したがったが、会社の仕事がそううまく彼の思い通りになるはずもない。かくなる上は、と今度は週末を使って自費で旅行することを計画しはじめた。
 ところがエアチケットの予約が取れた1月下旬、あろう事かタイの女優の言ったか言わないか分からない発言が原因で、肝心の隣国と絶交状態になってしまい、大使館は閉鎖されたまま(2月3日現在)ヴィザが取れない彼は旅行を断念せざるを得ない状況に陥った。
 相当にがっかりしていた彼の顔が目に浮かぶところであるが、ここでへこたれないのがフリークたるところであり、東がダメなら西の隣国というわけで、ビルマにもひよこっちの置屋があると言う噂を聞きつけた彼は、「次はビルマだ」と言って現在単独での旅行を計画している。

 でもビルマだってメーサイの国境が開いたり閉まったりしてるし、タイと仲良くしてるのはほんと最近のことで、ましてや軍事政権との上っ面の付き合いなんだから、いつ喧嘩してカンボジアのようになるか誰にも予測が出来ないはず。
 大事な友人が隣国から帰れないような事態が起きないよう、タイ及び各隣国の政府に対しては紳士的かつ冷静な外交を、そしてコージーのオーナーには一日も早い再開をお願いしたいと思う今日この頃である。 
 





第6話 考察:お風呂のはまり方

 在タイ外道の中には「とにかく風呂が好き」という人も多い。僕自身もその一人で、元々は風呂好きであるがため「外道の細道」の情報を細かくROMすると言う作業を毎日の日課にしていたわけである。
 他の外道士族の方々の情報は本当に役に立ったし、かのマッケイガン師のように果敢なレポートを続けた先輩諸氏には本当に感謝すると共に頭の下がる思いである。
 最近こそちょっと素人女にハマって金を無駄遣いしているためにあまり行かなくなったが、今でも心の底では「風呂が一番楽しい」と思っている。
 毎回違う女を選んで、どんなサービスをしてくれるかと胸ときめかす。たまにハズレはあるものの、それにしたって1ナタリーから1.5ナタリー(Dr.フェラあり提唱の通貨単位「随筆 外道を生きる」参照)の金額でビールからチップまで賄える。それでいて「当たり」を引けばまっすぐ歩けなくなるくらいまで楽しませてくれることだってある。
 単価で考えれば一番コストパフォーマンスがよいことは猿でも分かる常識だろうし、男である以上、たくさんの女とやりたいという欲望は誰でも持っているはずで、この欲望をもっとも満たしてくれるのがお風呂であることも疑いようのない事実である。
 
 ところが、マッケイガン師のように東奔西走して風呂を回ると言うことは意外に難しい。
 なぜかというと、人それぞれ趣味があり好みがある。その上、いい思いをしたところはまた通いたくなるし、悪い思い出が出来ると自然と足が遠のくのは人として当たり前の行動形態だからである。
 A gogo でもカラオケでもそうであるように、お気に入りができると、2度3度と指名するようになり、気心が知れてくればサービスも変わってくるなど、行動範囲を狭める要素は数多くあり、はっきり言って僕などは現在自分の足で通っている店はこの広いバンコクでたったの2軒しかない。
 もちろんかつては先輩諸氏の情報を元にラチャダー、ペッブリー、果てはトンブリまで足を伸ばしていたが、やはり自分好みのサービスをしてくれる店、好みの娘が多い店、コストパフォーマンスが満足行くレベルの店に偏りがちになっていった結果である。
 お風呂の好みは十人十色。僕の周りにいる外道達(旅行で来た友人知人含む)が話してくれた「好み」と「店」の関係をちょっと考察してみた。
  
 パターン1 美形にこだわる 
 いわゆる高級MPといわれるところ、色白の美人をそろえており、もちろんサービスもそこそこのレベル。値段が高いことと希にタカビー女に当たることが不安材料。それだけの価値はあると納得する外道のみが通う店。金持ち駐在員と旅行者に人気。シャンゼリゼやポセイドンのモデルクラスがこれにあたるだろう。
 曰く「超美人、スタイル抜群、キスNG、ゴムフェラ、1回戦終了後添い寝しながらテレビ鑑賞。終始恋人モードで大満足。」まぁ、添い寝がサービスに当たるかどうかは疑問の残るところですな。

 パターン2 マット洗いにこだわる
 日本のソープに通い慣れた人に多いタイプなのだろう、僕自身はあまり好きではないが、これがないと風呂に行った気がしないと言う外道も多い。J1やナタリーが人気ですね。
 若い娘イコールマット下手という確率が多いため、自然とベテランを指名する傾向に陥りがち。
 曰く「マットの超絶手コキテクで1回目はあえなく発射。一休みしたあと2回戦に挑戦するが勃ちが悪く時間切れ。」なーにか騙されたような感じがしないでもない??
 
 パターン3 回数にこだわる
 2発は当たり前、体調が許せば時間内に3回出したいという外道御用達。多分「客がお代わりを要求したら断ってはならない。」という決まりのあるらしいメリーなどがこれに当たる。2回までは自動的にやらせてくれます。3回目もほとんどの娘がイヤな顔はしません。実証済み。
 曰く「2回目が終わったところでシャワーを浴び、冗談で「もう一回」と言ったところ、本当に生尺で立たされて、めでたく3回目を終了。イクにはイキましたがほとんど何も出ませんでした。」
 まぁ年をとるとなかなか難しくなりますが、4回やったという強者もいます。でもこうなるとあまり自慢の種にはならないかな・・早漏って言われるから。

 パターン4 ロリ系にこだわる
 よくあるタイプ、今は無きコージー、そしてロリコンの牙城キャサリンなどがこれに当たるだろう。
 とにかく若さ第一という傾向はタイ人の中にも結構ある。その証拠にキャサリンなどは午後の早い時間からタイ人が一杯。人気のある娘は予約しないとダメなことも多い。
 曰く「終わってから本当の年を聞いたら1×歳、おまけに出身はビエンチャンだそうで、ちょっと背筋が寒くなった。」
 いや、本当の話。コージーは一応「子供部屋」を設けていたけど、キャサリンは平気な顔して金魚鉢に座っているからわからないだけ。おまけにあの化粧だから遠目には年齢不詳が多いんだけど、部屋に入って厚底脱ぐと140センチ台なんてこともざらで、タイ語らしき言葉を話すんだけどほとんど聞き取れない娘も多い。警察の手入れが入ったという話はあまり聞かないので、けっこう地元の署とはいい関係が出来ているのだろう。

 パターン5 技にこだわる
 ビワの人間国宝さんほどではないにしろ、テクニックにこだわる人もこれまた少なくない。ペッブリーのポンペットなどもこのタイプかな?
 まず生フェラは当然、しかしただのフェラではいけないらしい。横だの裏だの玉だのあちこちを舐め回し、果てはアナルまで行ってもらわないとサービスしてもらった気にならない、と言う人もいる。
 そして合体してからもすごい技を繰り出すベテランもいる。自由自在に締め付けられるなんて言うのは珍しくもなく、バナナを皮ごと切りそうな勢いのキンチャクや腰を動かさないまま内部だけをぜん動させて客をイカせてしまうなど、ちょっと眉唾めいた話も聞くことがある。
 また、「アナル好き」の友人はやはりこの辺の店を攻めるらしい。「自分から入れてくれ」という女も過去に10人くらいいた。」そうである。
  
 結局は女の娘個人の素質、能力、やる気、サービス精神に依存することなので、本当はどの店に行ったって当たりもハズレも必ずある。しかしやはり値段や女の子の教育というのは店によって違うわけで、この辺で店ごとの個性が出ていると言えるし、これがないとどこも同じになってしまっておもしろみがない。 
 何かもの凄ーく個性的なサービスをする店が新しく出現しないかなぁ、とこの頃考えることがある。
 例えば、コスプレ風呂とか、SM部屋とか、LB専とか・・、無理かぁ。 





第7話 考察:「フェーン・ジャー」に見るタイ人女性の本音と建て前

 皆さんは「フェーン・ジャー」をご存じだろうか。そう、最近バンコクに3日以上滞在した人は必ずどこかで聞いているはずの大ヒット曲。今や国民的歌手で齢46歳にしていまだぶっちぎりの男性アイドル歌手「Bird」ことトンチャイ・マッキンタイが3人の女性歌手を引き連れて歌うあの曲である。
 パンティップ・プラザあたりに行けばVCDが100バーツ前後で売っているので、もし知らない人は是非買って聞いて欲しい。
 僕はこのトンチャイが大好きで、先日はライブにも行って来た。もちろん3人の女性歌手Jintara(チンタラ)Cat(キャット)Nat(ナット)も生出演で大変盛り上がったライブで、あれで800バーツは安い。
 このトンチャイという歌手、非常に礼儀正しい人らしく、ライブの第一声が「サワッディー・カッポム(「こんにちわ」の丁寧な言い方)」であった。バリバリのロック&ポップスを歌う歌手が「こんにちわ」と言って現れるのだから日本人の我々はちょっと笑ってしまう。
 しかし、その後のステージはエネルギッシュそのもの、歌って踊って、しゃべって会場を大いに沸かせ、ライブの完成度としてはなまなかではない。ポッと出のガキが事務所の力で売れに売れ、武道館でにわかライブをやるのとはわけが違う。
 客層は小学生から死にそうなババァまでまさに老若男女という感じで、これが一人残らず客席でウェーブを巻き起こし、はたまた総立ちで踊りまくるのだからこれまたびっくりである。
 
 この「フェーン・ジャー」であるが、これもどこかの方言らしく要は「彼女ぉ!」みたいな意味らしい。バンコクっ子の男が、イサーン(東北部)、北部、南部出身のそれぞれの女と付き合っていると言う設定で、実際に脇を固める女性歌手達はこの3地方出身で、それぞれ「なるほど」と思わせる顔や仕草をしているからおもしろい。

 チンタラという歌手はちょっと年増。まぁるい鼻と厚めの唇がいかにもイサーンの女という感じで、肌もちょっと浅黒いが、いかにも情が厚そうな女である。派手なダンスは苦手のようで他の2人と比べると動きは地味で田舎っぽいが、曲中に出てくるタイの民族音楽のような節回しのスキャットの声や、顔の表情が凄くセクシーで、ちょっとゾクゾクする。
 今度風呂に行ったら似たタイプを指名してみたいと思う。

 北部出身のキャットは色白で細面、鼻筋は「通り過ぎ」の感があるので多分整形だろう。極めてゴージャスなイメージでおっとりした感じにも見えるが、もし付き合ったら金がかかるだろうなぁと言う感じのおねーちゃんである。きっと見栄っ張りで気分屋だろうから、相手の男は振り回されることに快感を感じるMっ気のある人向きという気がする。

 南部出身のナットは色は少し浅黒いものの、すっきりした美人顔で、飛び抜けてスタイルも良くダンスもめちゃめちゃうまい。南部の人間らしく気が強くて、真面目というイメージ。あの腰の振り方で上に乗られたら30秒と保つまいな・・、とバカなことを考えてしまうのは僕だけだろうか。

 トンチャイは事実バンコクっ子でとにかくかっこいい。その彼が、3人の女性に「僕は君だけを好きなんだ、他の女性と付き合うことなんて考えたこともない。グッチもプラダも何でも好きなものを買ってあげよう」と大まじめに歌えば、3人全員からそれぞれの地域の方言で「嘘つきベイビー」とあしらわれるというなかなかコミカルな味付けの曲である。
 格好良くて、金もあって、優しい、それでも「嘘つきベイビー」はモテないと言うことらしいが、それって現実味がないんじゃない?と思うのは我々日本人ばかりではあるまい。
 かっこよくて金があって、その上優しければ絶対モテるだろうと、タイ人のおねーちゃんに聞いてみた。答は「でも浮気者はダメ」
 日本人がタイ人のねーちゃんにモテるのは実は金があるからばかりではないらしい。日本男児はタイ人の男に比べて誠実で浮気しないからでもあるのだという。

 しかし、である。我々駐在員だって独身でもない限り、みんな「浮気者」のはずじゃないか?浮気相手に「浮気する男は嫌い」って言われてもなぁ・・。
 ここのところを更に細かく説明させると、「奥さんがいるのは仕方がない。要は自分以外にタイ人の女と付き合うのは許せない。」と言うことらしい。
 本当は日本人の男に貢がせて、浮いた金で若いタイ人の男と夜な夜なディスコに繰り出しているようなねーちゃんでも「浮気者は嫌い」と言うんだから、身勝手というかなんというか。
 ま、我々日本男児も「お前だけだ」とか何とか言いながら、他の店にもお気に入りのねーちゃんがいたり、ゴルフの後には必ず風呂に行ったりと彼女らがお世辞半分に言うほど誠実ではないわけで、この辺はどっちもどっち、痛み分けと言うところでしょうか?
 
 しかしとにかくトンチャイはかっこいい。あれでゲイとは・・もったいない。





第8話 リピーターの悲哀

 我々駐在外道は、旅行者や出張者と比べて時間だけはたっぷりある。だからこそ外道を自らの進むべき道と信じて日夜修行に励むわけであるが、いかんせん金が続かなくなることが往々にしてある。
 まだ僕が外道初心者の頃、調子に乗って週2回の風呂とカラオケ、それに加えてA gogoやマイナー風俗に通っていたことがあるが、1週間に使う金が3万バーツほどになり、とても続かないことに気がついた。
 もちろん時間だけはたっぷりあることから、徐々に勉強もするし、諸先輩方から伺った話や自分の経験を元に自分の甲斐性の中で遊ぶことを身につけていく。
 ところが頻繁にタイに遊びに来るいわゆる「リピーター」諸氏の中にはここタイで遊んでいるほんのわずかな時間で周りが見えなくなってしまい、女の子に騙され、湯水のように金を使わされているものも少なくない。
 もちろん貧しい境遇を聞かされれば、何とかしてあげたいと思うのは当たり前のことであるし、惚れた女に金を使うのは外道でなくても男なら誰でもすることだけど、やはり限度というものがあるだろうし、日本男子の優しさと誠実さは意外にタイ女性には通じないことが多い。
 これは知人の話と言うよりも僕自身の話になってしまうが、こんな恥知らずな外道をどうか皆さん責めないでください。

 G君は仕事がらみで月一の出張をくり返す「バンコクリピーター」、よほどバンコクが好きらしく仕事以外でも月一から2回の割で遊びにも来る。もちろん来れば駐在の我々と一緒に遊び歩くため、タイ語も徐々に上達し、ナナ、カウボーイ、スクムヴィットのカラオケ、タニヤと遊ぶ範囲も広がっていった。
 ある時遊びに行ったカラオケで彼は一人のチェンマイ娘ノックと知り合うことになる。普通に連れ出すばかりでなく、昼間も一緒に遊び歩くなど、出張者にしてはなかなかの外道ぶりの彼はある日自慢げにその娘のことを我々に話してくれた。
 曰く「あの娘、僕のことを本当に好きだって。お金はいらないから来るときはいつも会ってくれって言うんですよ。」
 G君は30代前半の好青年ではあるが、もちろん妻子もあるし、遊びに行って「独身だ」などとつまらない嘘はついていないので、ノックが結婚を視野に入れてそんなことを言っているわけではないことは明かであったが、僕は何か胡散臭いものを感じていた。
 もちろん本当に相手の男が好きで「お金はいらない」という女もいることはいる。特に親しくなった女に「今日は金がない」というと本当に「いらない」と言ってくれることもあったが、最初からそんなことを言ってくる女はちょっと信用できないと言うのが僕の考えである。
 しかし彼は本当にほとんど金を使わずに3泊4日の滞在を終え、彼女に空港まで見送られて日本に帰っていったそうだ。
 そして次に来たとき彼はノックを3日間借り切り、昼夜を共にすることになる。
 いくら何でも仕事を休ませたら彼女のところに金銭的負担が来るので、一体どうしているのかと聞いてみたところ「もちろん店に払う罰金分くらいは僕が出していますよ。仕事辞めさせて面倒見てやれない以上それくらいは当たり前でしょう?」
 なるほどである。まぁ、短期滞在の間だけ彼女を独占するための出費だから当然と言えば当然、大した出費ではない。

 こうして二人の中はどんどん親密になっていき、G君はバンコクに来るたびにノックとの逢瀬を楽しんでいた。いつの間にか彼女は「オフ有り」から「オフ無し」に転身し、G君の「オンリー」となったと聞かされた。
 ここで疑問が生じてくる。金のために「オフ有り」で働いていた彼女が「金はいらない」と言って日本人のフェーンと付き合いながら「オフ無し」に転身する??どうも納得いかない話ではないか。
 ある日僕は店に行ったときにノックを指名してG君とのことを聞いてみた。「本当にフェーンなのか」との問いに、彼女はうれしそうに頷きながらまず薬指にした指輪を見せてくれた。純金らしい指輪には小振りながらきれいなダイヤモンドが一列に6個埋め込まれていた。45,000バーツだという。そして次に彼女が見せてくれたのがなんと、G君名義のキャッシュカード。彼は彼女のためにバンコク銀行に口座を開き、キャッシュカードを持たせていたのである。もちろんG君が来タイしたときに数万バーツを入金しておき、彼女はいつでも必要なときに金を引き出せるというのである。
 「金はもらわないんじゃなかったのか」と僕が聞くと、「私からは何も言っていないけど、彼はジャイ・ディーだから。」との答え。確かにジャイ・ディーには「優しい」と共に「気前がいい」という意味があるけれど・・・。。
 
 次にG君が来たときに僕は思いきって彼に聞いてみた。「金は渡さない約束じゃなかったのか?」「もちろんセックスの対価として金を渡しているわけじゃないですよ。でも恋人だったら相手が困っているときに助けてあげるのは当たり前じゃないですか。彼女からお金をくれと言ったことは一度もありません。それに僕は彼女が金のために他の男に抱かれるなんて我慢できないんです。」要はすっかり貢いじゃってるわけである。
 もちろん人の恋路を邪魔するほど野暮でもない僕は特に何も言わないまま二人を見守ることにしたが、やはりタイ人女の「お金はいらない」という言葉は「今回のセックスに対してはいらないけど、私を気に入ったらたくさん貢いでね。」という風に訳した方がいいのではないかと思う。
 
 G君はバンコクに来るたびノックのアパートに滞在するようになり、その間ノックは仕事を休んで彼にべったり寄り添うことになる。いわゆる「現地妻」感覚であるが、G君にはひとつ心配事があった。曰く「自分が日本にいるときにノックが他の男と遊んだりしないかどうか」と言うことである。
 僕は彼のために出来るだけノックの店に行き彼女を指名して他の男に口説かれないようにしてあげるようにした。もちろん店にいるノックの友達からも情報収集し、彼女が浮気をしないように見張ってくれるようお願いもした。

 ノックはそばで見るとけっこう可愛く、オッパイも意外に大きいことがわかった。酔うとよく笑い、セクシーでもある。
 ある日僕は「一緒にディスコに行こう」と彼女を誘ってみた。二つ返事でOKを出した彼女とラチャダーの「ダンスフィーバー」に行き、したたかに酔ったところで突然彼女に抱きつかれ胸を押しつけられた。僕もけっこう酔っていたために彼女を抱き寄せキスをしたところ、深く舌を絡まされ、そのまま大音響の中二人のチークタイムは5分も続いた。
 はい、白状します。その晩僕はノックと寝ました。
 別れ際彼女に「絶対G君に言っちゃダメだよ。」と釘を差し、3000バーツを渡そうとすると「絶対言わないから安心して、それにお金なんかいらない。ちょっと淋しかっただけだから。」とのこと。

 ごめんG君。でも、寂しさから彼女が浮気しないためにしたことだから。いやいや大丈夫、彼女が他で浮気しないように僕がしっかり見張っておくって、ほんとに・・・。





第9話 ナンパ外道

 かつて僕が初心者の頃、よく先輩外道から「商売女はいいけれど、素人に手を出しちゃダメだよ。」と言われたものである。その先輩も実は素人に手を出して、結局相手の家族ひっくるめて生活の面倒を見るところまで追い込まれてしまったらしい。
 タイには「持つ者は持たざる者に与えるべし」という不文律があり、金持ち日本人が貧乏なタイ人フェーンにお金を渡さないと言うことは鬼畜にも劣る行いと写るからである。
 また、世間知らずの素人女に限って、アパートを訪問すると親がいたりして「田舎の両親なの」「娘がお世話になってます」なんて冷や汗ものの現場をセッティングしてくれたりするので、あれよという間に「田舎の両親公認のフェーン」として向こうの家族の「耕耘機が古くなった」だの「ばあさんが病気で入院した」だのという聞きたくもない御託にお付き合いをしなければならない状況に追い込まれてしまう。
 この先輩は結局「日本に帰ることになった」とか何とか嘘をついて数十万バーツ(大金!)の手切れ金を渡して幕となったらしいが、やはり本物の恋愛関係に持ち込まれるということは、家庭も世間体もある駐在にとってちょっときついかもしれない。
 しかしタイの風俗で遊び倒した駐在外道の中には「もう商売女は飽き飽きだ、素人女とやりたい」と思う者も多く、正直言って僕もその一人です。
 確かに誰とやったかわからない水商売のねーちゃんよりもきっと新鮮なんだろうなぁと言うあこがれが僕の中にもあったし、実際にそういうおねーちゃんと付き合ってみると、確かにドライなカラオケ嬢達とは違った楽しさはあるけれど、深入りすればするほど背負うものが大きくなっていくような気がしてやっぱり恐い。
 以前彼女と待ち合わせをしたら本当の姉さんを連れてきて突然紹介され、「姉の誕生日なの、何か買ってあげて」と言われたときには「僕はどうなっちゃうんだろう」と不安にもなった。
 でも質素な生活の彼女のアパートでほとんど化粧もしない彼女とまったりとビールを飲みながらタイのドラマなんかを見ていると「これだよなぁ・・・。」なんて思ったりして、なかなか止められないのも事実である。
 こんな自分のことは棚に上げてだけれども、聞かれればやっぱり僕も後輩外道達に素人娘はお奨めしない。疑似恋愛のプロ達との付き合いは浅く広くで楽しいけれど、素人となるとやっぱりディープにならざるを得ないからである。
 ところが果敢にも「素人専門」と言ってはばからない外道もいる。僕は他のみんなに「あいつ絶対痛い目に遭うぞー。」と陰口を言っているが、周りの人は「お前もな」と言って笑っている。
 「五十歩百歩」だの「目くそ鼻くそを笑う」だの言われることは承知の上で、今回は素人のナンパに命をかける(大げさか?)H君のお話し。

 三十代前半でなかなかの色男、その上日本にいる頃からクラブ(我々の年代だと「ディスコ」)に通っていたというHくんは、カラオケで「結婚してる」という度におねーちゃんに「もったいない」と言われるほどの人気者。店の女の娘と何度かディスコや「お夜食」にも行ったらしい。でも彼はお店の娘に絶対手を出さない。彼のポリシーは「女は素人に限る」なのだ。もちろん素人だからタダで出来るとか、そんなマヌケなことを考えているわけではなく、とにかく「恥じらいのないセックスは男をダメにする」ということらしい。

 どうやって彼が素人の娘をゲットするかというと、カラオケのおねーちゃんと週末の午後ボーリングに行く約束をするのである。その際「友達を連れておいでよ」というと、50%の確率で素人のおねーちゃんを連れて来るというのである。多くはわけの分からない学生やプータローであるが、OLや看護婦なんぞもたまにいるらしい。
 日本だと水商売のねーちゃんは「類友(るいとも)」のねーちゃんしか連れてこないが、ここバンコクでは意外にフツーのねーちゃんを連れてくることが多いのは僕も良く知っている。
 そして彼を含む3人、時には4人で晩飯を食いに行くのだが、午後6時半ともなればカラオケのおねーちゃんは「そろそろ仕事だから」と言って必ず中座する。にこやかに彼女を送り出してからが彼の本領を発揮するところである。
 いろいろ話をし、本物の素人さんだと確信するとそのままトンローあたりのちょっと静かなバーに移動して、最低でも住んでるところ、勤め先若しくは学校、電話番号までを聞きだして、あくまでも紳士的に振る舞いながら彼女を送ってその日は終わり。
 その後、毎日のように携帯に電話し、暇な時間をやりくりしては短いデートを重ねていく。そしてたまには数千バーツのプレゼントを買い与え、映画館では自然に手を握るくらいまで行けばあとは相手の様子を見ながらホテルに誘う。ここでOKの出ない女はいくら時間をかけても無駄なことが多いので見切りを付けるという。もしOKが出れば「恥じらいのあるセックス」を楽しみ、晴れてフェーン(恋人)となるわけである。

 一人暮らしのねーちゃんであればアパートに通う。そうでなければA1ホテルあたりで逢瀬を重ねる。ただし、「セックスだけが目的」と思わせてはいけないので、買い物や映画など普通のデートも欠かせないという。
 「恥じらいがあって変な演技もしないけど、慣れてくるとけっこう淫乱に近い娘もいる。どんなのが出てくるか分からないというギャンブル性も楽しみのひとつですよ。」となかなか悟ったようなことを言う彼であるが、それなりの苦労や我慢もあるらしい。

 まず、ルックスについて「素人で高いレベルは望めない。」という。要はブスでもデブでもある程度は我慢すると言うことである。確かにその辺を歩いているOLを見ていて、「おっ」と思う女性に巡り会うことは意外に少ない。タニヤに行くと「なんだ、ここに集まっていたのか」と思えるほどである。
 そしてこれもルックスに関連するが「メンテが悪い」ということ。お気づきの方は多いと思うが、タイの普通の若い女性は鼻の下にぽやっとした産毛を生やしているのが当たり前である。当然足や腕のむだ毛を処理していることは考えにくく、下手をすると脇毛も未処理と言うことが往々にあるらしい。
 これは仕方のないことかも知れない。ルックスや体の見栄えを商売にしているわけではないし、仕事を持っていればあまり時間もないし、かといってエステに通うような給料をもらっているわけでもないのだから。

 そしていまひとつ、「意外に金がかかる」ということである。
 素人ねーちゃんとの交際は「自由恋愛」である。ここで言う「自由恋愛」はカラオケやゴーゴーのそれと違い、本当の「自由恋愛」である。
 お互いの自由な意思で好きな相手と逢瀬を重ねるわけであるから、そこに金銭の授受は必要ないと思われるかも知れないが、これがなかなかそうもいかない。
 メシや酒をおごるのは当たり前である。時には映画も見るだろうし、コンサートも行くかも知れない、CDくらいは買ってあげよう、ノンブランドのバッグだって買ってあげよう、履きつぶしたサンダルを履いていれば黙ってたって新しいのを買ってやろうじゃねぇか、と思うのも日本男児だったら当たり前である。しかし、どう言ったわけかほとんどの女が親しくなると「来週友達とタンブンに行くんだけどお金がないの。」とか、「弟が事故を起こしてお金が必要なの」などと、当然のことのように金の無心をして来るのである。「そんなことぁ、俺の知ったこっちゃねぇー!」と一蹴できれば本物の外道だろうが、なかなかそうはいかないのも我々悲しき日本男児なのである。

 しかしなぜ彼女らは当たり前のように金の無心をしてくるのか。ここにはカラクリがあった。彼はカラオケのねーちゃんを介してその素人娘と知り合っている。当然間に入ったカラオケ嬢と彼女はいろいろと情報を交換しているのである。
 例えば「ねぇねぇ、もう彼とはヤッたの?うまくいってる?えっ、バッグ買って貰った?いくら?2〇〇〇バーツ?バッカねぇ、もっと高いもの買って貰いなさいよ。あたしの友達なんか日本人のフェーンに月5万バーツも貰ってんのよ。あなたの彼だって○○○の社員なんでしょ?絶対お金持ってるから。絶対!」と言う具合、もっともこの台詞は僕の想像であるが、実情はこれとあまり変わりないという自信も僕にはある。
 こうしてお節介なカラオケ嬢にそそのかされて、銭の亡者になっている素人娘も少なくないと言う。どうしても日本人=金持ちという構図は彼女らの頭からは離れないし、こっちも背広を着ている以上「金がない」と言ったってねーちゃんは誰も信用しない。
 だんだんがめつくなって月々の小遣いとかを請求するようになると、もうこれは単なる愛人でしかなくなるので、「好き」とか「愛してる」という言葉がどんどん空しいものになっていく。
 要するに請求されるときにしかお金を渡さないのが「自由恋愛」で、請求されなくても月々決まった金額を渡すのが「愛人」ってことですか?

 H君のやっていることも、僕のやっていることも結局は空しい恋なのね・・。

 





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