東西南北

 タイは四方に陸の国境を持つ。こうした陸続きの国境を持たない日本人には想像が難しいかもしれないが、こう考えて貰うとわかりやすいかもしれない。東海道線に乗って多摩川を越えるとき・・・東京都から神奈川県に越境するときだ。その川の両岸に広がる河川敷の整備度を見るだけで行政の貧富の差は目を見張るモノがあるが、基本的には同じ気候で植生も同じ、人もそれほど変わらない。つまりはそんな感じなのですよ陸の国境とは。パスポートコントロールすらないEUなどでは国境を越えたことに気づかないという。
 タイの国境はそれほどお気楽でもないが、同じような南洋の蛮人が住んでいることに変わりはなく、経済的に強いタイからはいると通貨すらタイバーツが通用してしまい、両替の必要すらない。しかしながら二国間では税率や法制度が違うためごく小さなレベルでの民間国境貿易、闇市場が自然発生する。これは万国共通ではないだろうか?当然市場には商人やバイヤーが集まり、それを目当てにした淫売がまた湧いてくる。ウーン・・・虫みたいだな。
これはそうしたタイの国境を旅した記録です。中には淫売すらいない廃れきった国境もありますが出来る限り、地の果て場末淫売のレポートをしていきたい。
外道の細道

国境の北 太陽の真下・・・メーソット



ある日思い立って北に旅立った。『風がオレを呼んでいるぜ』・・・というのは大嘘で、まあ、ビザ旅行をかねて国境で場末マンコでも買うベエ、が本音だ。丁度、赤はげ先生が女房の実家のチェンライ『ジュラ紀の里』に来ているし、あの医者もオレをダシにして13歳の少女を買いたいとか地獄行き特急指定席購入みたいなことを言っていた。冥土の土産につきあってあげよう。義理事は大切だ、などと考えながら北に向かう。移動手段は当然、オレのバイク外道号だ。イージーライダーのように行きよいよくキックを蹴りおろす・・・セルだった。ギヤもオートマ・・・良いのだ、歳食ったんだからラクチンが一番だ。などと、はじめから言い訳で旅は始まった。

初日、目覚ましを5時半にセットしておいたのだが、昨夜のミンザイがバックリ効いていて起きたら7時・・・すでに渋滞が始まっている。危うく挫折しそうになる心を抑えて出発。ひたすら一号線を北上する。正直言ってこのルートはつまらない。シャム平原のど真ん中を滑走路みたいにだだっ広い道がまっすぐ延びているだけで風景に変化はない、カーブもないので曲がらない、信号も滅多にない、犬はたまに轢かれている。ルート配送の運転手になった気分だ。旅だか仕事だかわからない。10時タイ中部の都市ナコンサワンをすぎた頃、最初の給油兼休憩。フッフッフ・・・地獄のような暑さになってきたぜ。タイのガススタンドにはトイレとシャワールームがある。シャワールールと言っても水を溜めた瓶とケツ荒い洗面器があるだけだが・・・水浴び場といった方が良いかもしれない。メットを抜いて上半身だけ水浴びする。スタンド付属のコーヒーショップで休憩。日陰なだけの露天だが、それでも日向よりはましだ。濡れた体と髪がみるみる乾いていくのがわかる。ものすごい熱気だ。そのせいか、店のおばさんと娘やる気全くなし、愛想は生まれつき無かったのかもしれない。オバサンだるそうに『暑いわね』なんて良いながら客であるオレではなく自分の方に扇風機を固定している。娘は漫画に夢中で客は無視だ。この辺りのグッタリ感がいかにもタイだ。

200キロ以上北上したにもかかわらず真っ平らなまま・・・シャム平原は恐ろしい。山陰一つ見えない。カンペンペットの手前でやっとショボイ岩山がある。山陰一つ無いバンコクの風景になれてしまうとこんなショボイ山でもうれしい。ヘタレきった山だが久しぶりなので写真を撮ってしまう。

このあたりから、気温は単なるHOTではなく、HEATまたはBARNINGとなってきた。気分はほとんどマゾだ。12時頃タークに着く。もうギブ・・・死んでしまいます。川のそばで遊んでいた田舎のワルに道を聞く、見た目の凶暴さと裏腹に田舎のワルは話し好きだった。オレがタイ人でないとわかると親切に地図を書いてくれた。悪が言うには後5キロだそうだ。それなら今日中にメーソットに行って、明日朝一番で国境を越えよう。そう思い再び走り出す・・・5キロ。走り出してすぐわかったのだが5キロというのはメーソットへの分岐点までの道のりだった。その後メーソットは86キロ。これが地獄だった。今まで道は曲がることもあると言うことをすっかり忘れるような棒道だったが、いきなりモナコ・・・いや、もっとひどいというか乱暴だ。全く警告標識なしのクランク、ヘヤピンは当たり前、時々シケインだ。牛飛び出し注意の標識をみて「気をつけねば」と、思った刹那、飛び出してきたのは山岳民族のババア、轢きそうになりババアは何か怒鳴っていた。タイ語ではなかったようだ。少し前に、北部で山焼きの煙害で飛行機が欠航したニュースを聞き、北の百姓はしみじみバカだ、と思ったがその証拠が見渡す限り続いている。こんな人も住んでいないようなド田舎の山中なのに焼夷弾絨毯爆撃受けたように一面の焼け野原。見事な自然破壊だ。百姓のバカさ加減が身にしみる。峠道の頂上に見晴台にたいな休憩場がある。オレもそこでバイクを止めた。野焼きの煙害のせいか見晴らし効かないが標高が上がったので少し涼しい。マイナーな観光地なので、ジュース売りさえいない。生暖かくなったお茶を飲み写真を撮った。ボロ切れが落ちていると思ったら山岳民族のばあさんだった。ばあさんはしきりに何か売りつけようとしている。言葉が通じない・・・タイに長いオレにとっては珍しい体験だったが、単に訛りの強いタイ語のようだ。冷たい水はあるかなと思いばあさんと話す。ばあさんいきなり筵をはがして野菜を売り出した。こんなところで売る物か??ロケーションを全く考えていない不思議な商売だ。バアサンを無視してソウルブラザーのように日焼けした地元の兄ちゃんに道を聞く。兄ちゃんはちゃんと標準語を話した。
見晴台を出て30分ほどでメーソットに到着。ガススタンドの兄ちゃんにホテルを紹介してもらう。狭い町で宿はすぐ見つかった。エアコン・バスタブ付き 1泊450B。まあこんなもんだろ。いなかだし。
ポーン・ティップホテルという、かつてのジュライみたいなホテルだった。従業員の気怠さが似ている。
ここで驚愕の事実発覚。
「国境のゲートまだあいてる?」
「三日前から閉鎖されてます」
「ウッ・・・」
・・・そうだった。数日前に国境紛争というか小競り合いがあったのだ。元々仮想敵国同士のタイとミャンマーは問題が起きるとすぐ国境を閉じてしまう。「調べてから行った方がいいっすよ」と言うヒロポン軍曹の言葉をどうせ大したこと無いだろ、とたかをくくって無視してきたのが失敗の元だった。
ウーンここが駄目なら、メーサイも駄目かな?いざとなったらチェンコーンから船でメコンを渡ってやる。暑さの中をメーソットくんだりまできた努力は何だったのだ?・・・グッタリ。

ホテルのオヤジが荷物を運んでくれる。親切や仕事ではなく内職のためだ。
「旦那、どうです若い子がいますよ」地方のホテルおきまりの淫売おすすめだ。
「マジかよこんな田舎に置屋あるのか?・・・ありそうな気もするな、国境の町だし」
ここからオヤジは片言の日本語とタイ言文法の英語を駆使して営業を開始。
要約すると、若い・かわいい・性格良い・おっぱいデカイ。風呂屋のコンシアと変わらない。そしてオレはその言葉を全く信じていない。料金は妙にシステム化されている。6時からだったら一晩1500 9時半からだったら1200。オヤジが半分以上とるんだろうけどまあそれほど悪くない。問題は女の質だがこればかりはみてみないとわからない。後で電話すると行ってオヤジを帰した。
部屋は悪くなかった。熱いお湯も勢いよくでた。
シャワーを浴びてさっぱりしたので空しさを噛みしめるために国境に向かう。町からは5キロほどの距離にあり、その間の道は不自然にきれいだ。メーサイにあるようなゲートがあり人っ子一人いない。国境の町で国境があいていないときは、その機能自体死んでいるのと同じなので用のない田舎町になってしまう。ゲート前にツーリストポリスがあったので入ってみる。お巡りさんやること無いのでランニング姿でテレビ見ていた。
「あのー国境閉まってるんですか?」わかっているが一応聞く。
「3日前から閉まってるよ」
「いつ再開しますかね?」
「さあねー・・・メーサイなら開いてると思うよ」
ここから500キロ以上あるところを平気で指定してくれる。仕方なく諦め、写真を撮って帰ることにした。一応川が流れていてそれが国境なようだ。フッフッフ・・・・・ショボイ川だぜ。そばに国境市場もあるが活気は一切無い。しょうもない中国製電化製品の大安売り市場だ。いくら安くても買う気のしない品揃えだった。がっくり来てホテルに帰ると疲れがでたのか寝てしまった。
起きると9時・・・飯でも食うかと外に出るが野良犬すらいない・・・田舎の夜は早いぜ。仕方なくホテルのコーヒーショップでまずいタイ飯を食う。ホテルとは思えないほど泥臭く濃い味付けのタイ料理だった。クロントイの線路ばた屋台の食事みたいだ。
飯が終わるとこの町では何もやることがない。女を薦めてきたオヤジのことを思い出して気乗りしないけど電話してみる。こんな田舎にロクな女がいるわけ無い。
「あーBBB室だけど」
「あーあなた、女!若い!可愛い!おっぱい大きい!!」
先ほどの営業と同じだ。
「女いるか?」
「若い!可愛い!おっぱい大きい!!」
「何人いるのだ?」
「若い!可愛い!おっぱい大きい!!・・・二人・・・」
「そんなことだろうと思った。呼んでこい、気に入らなかったら帰すぞ」
「あなた ノープロブレム 若い!可愛い!おっぱい大きい!!」
「早くしてくれ。イヤになりそうだ」
やがてオヤジが連れてきた二人の女は、オヤジの営業のうち『若い』だけは嘘ではなかった。イヤ・・・若いどころでない・・・君たち保護者はどこかね?
「オヤジ・・・意外に嘘つきでなかったな・・・いくらだ?」
「えーっと、今9時40分だから・・・1200・・・いや、1000でいいです」
妙に弱気なオヤジだった。この商売に向いてないな。しかしこんなガキが朝まで部屋にいるのは気が重い。ショートに変更する。
「ショートでいいや。一発いくらだ?」
「700、どっちにするか?」
ウーン、ショートだしどっちでもいいや、背の低いいっそうロリ度の激しい女にする。こうなったら一人殺すも二人殺すも同じだというプノンペン ロリ買い理論だ。当然集金は女ではなくオヤジがする。700をオヤジに渡す。
言葉が通じないのか、無愛想なのかロリクソガキはふて腐れたようにテレビ見ている。シャワーを浴びろと言うと、その言葉を待っていたかのようにバスルームに駆け込む。
ウーン・・・外したかな?まあショートだし、気に入らなければすぐ帰せばいい、と思いながらたばこを吸っていた。シャワーを浴びたロリクソガキはベッドにゴロンとなった。ヨガで言うところのマグロのポーズだ。オレもシャワーを浴び、ベットに入る。全く期待しないファックだったが、ここからが違った。マグロ確定と諦めていたがオレがベットに入るやいなや、いきなりディープキス、首筋、乳首責め、毛のないマンコ擦りつけの刑、とガンガン攻めてくる。まさにロリガキの逆襲!『キッキミ!何をするんだ、そんなことをしたらおじさんは立ってしまうではないか!』などとつっこむ余裕もなく、国境ファックは一方的なロリクソガキのペースに持ち込まれた。さすがにフェラはしてくれなかったが、このクソガキはまだ若いのにオヤジのツボを心得ていて、妙に獣くさいあえぎ声や童顔とミスマッチな爆乳を揺らして攻めてくる。エロアニメのような体だ。フッフッフ・・・あっさり抜かれてしまった。
意外だったなと思いながら敗戦後のたばこを吸っているとロリクソガキは爆乳の上に直接T−シャツを着て帰り支度を始めた。サービスよかったので100をチップであげた。この時初めてクソガキは言葉らしい言葉をはいた(それまではミャンマー語だかカレン語だか知らないが意味不明な言葉)。
『アリガト』
日本語だった・・・小娘め・・・あっさり手玉にとられてやったぜ。
ガックリきてすぐ寝てしまった。