EURO外道 BY:NEGURO

 外道の細道

外道金融コラム: サルでもわかる金融戦国時代



日本の外道ハゲオヤジ達が支えていると言われて久しいタイの風俗産業だが、世界的な景気後退やタイ国内政治情勢の混乱による影響が見られ始めていることは前回の金融コラムでも触れたし、その続報は外道氏が折に触れ速報という形で流してくれているので、これを読んでいる諸氏も何だかよく判らんが大変なことが起きつつあるらしいくらいの感覚は持たれていることと思う。 赤ハゲ先生のブログにもちょっと立ち寄らせて貰って落書きを残したりしているが、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱は、とうとう日本の金融機関までをも巻き込んだ金融再編劇へと展開し始めた。 リーマン・ブラザーズ破綻という大見出しが新聞一面を飾ったのがちょうど一週間前。 今朝の日経新聞の一面には、金融の世界再編、三菱UFJ、モルガンに出資という文字が躍っていた。 残念ながら、今回エロネタは盛り込まれていない。

ここまで起きた連鎖倒産の危機から金融再編という状況を、少し乱暴な例えを用いて解説してみよう。 ここ金融小学校には世界中のやんちゃな子供たちが通っており、身体の大きな子から小さな子、アングロサクソンの子供たちも居ればラテン、アフリカ、アジアの子供たちもいた。 そのイメージはねずみランドのイッツアスモールワールドみたいものと考えて頂きたい。 また、由緒正しい家系の子供も居れば、最近のし上がってきた所謂成金の子供たちも、そこは仲良く時を過ごしていた。 最近の傾向としては、子供たちの間である種の新しい遊びやおもちゃが流行ると、小学校中でみんながそれにハマルといった、流行の画一化傾向が見られていた。 特に身体の大きなアングロサクソン系の子供たちはその流行発信センターになっていた。

彼らが最近嵌っている遊びは、横一列に並んで体の前で交差させた手をお互いに繋ぎあって、どれだけ早く前に走れるかを競うという遊びだった。 今年の春先にこの遊びを率先してやっていたベアー・スターンズ君がサブプライムという遊具に躓いて大怪我をして、今でも親のJPモルガン・チェースさんの庇護のもとリハビリを行っているのは記憶に新しいものの、そこはやんちゃな子供たちのこと、親たちや周りの言うことなぞ聞きやしない。 流石にサブプライムに近づきはしないものの、似たような面白さがあるのか、子供たちは最近ではCDS(=クレジット・デフォルト・スワップ)という遊具の近くでその遊びを続けていた、そんなある日とうとう大惨事が起きた。

180年近い家格を誇るリーマン兄弟が無残にも顔面から突っ伏したあおりを食らって、その近くにいたガキ大将格のメリルリンチ君が大きく転びそうになった。 元々はアメリカの田舎であるノース・カロライナ出身だったバンク・オブ・アメリカさんがそれを見るに見かねて、メリルリンチ君の襟首をがしっと掴んでくれたことで彼は転倒して怪我をすることは避けられた。 ただ、今迄複雑に繋がれた手によって微妙な均衡を保っていたバランスが一気に崩れたことから、優等生とみられていたAIGさんまでもが大怪我をしそうになったので、そばでそれを見ていた引率の米国政府先生がとうとう助け舟を出す羽目になった。 いままで子供たちの遊びには介入しないことが大前提であったにも関わらず。 しかし、余波はこれだけに留まらなかった。 やはり伝統ある家計の出で優秀な生徒であったモルガン・スタンレー君やゴールドマン・サックスさんも大きく動揺しており、結果的に誰かの支えが必要と判断したモルガン君はアジアの優等生である三菱UFJ君に自ら助けてくれと懇願した…。

背景などかなり端折って例え話を進めてきたが、要は今迄身体の大きなアングロサクソン系に牛耳られていた金融業界に大きな地殻変動が起こり、始めは救済的色合いが濃かった再編劇は次第に生き残りをかけた戦国時代へと移行しつつある、というのが現在の状況だろう。 断言できるが、後一ヶ月もしないうちに本屋の店頭には今後の金融業界を占うとかグローバル金融戦国時代とかのタイトルの解説本が並ぶだろうな。 そこに書かれるであろう内容はneguroがここで書いていることと大差がないので、無駄な出費を避けてタイバーツでも購入してもらいたい。 余談はさておき、弱者が強者を飲み込み勢力を拡大するという戦国時代が金融業界で始まったわけだが、次なる大再編は自動車産業であるとも言われている。

アジア通貨危機の際に一度大きな再編の憂き目をみたタイの金融機関の話はさておき、先進諸国で起きている金融業界の再編や今後起こりえるグローバルな自動車業界の再編によって、金融のみならず産業社会にも大きな影響が及ぼされることも視野に入ってきた。 日系金融機関に勤めるneguroからすれば、この状況は既視感があり、三洋証券や山一證券、北海道拓殖銀行などの連鎖倒産、不良債権買取機構、銀行の優先株発行といった十年前のキーワードが思い起こされる。 言い方は悪いが、その当時に火事場泥棒的に大儲けしたのは誰だったか? 国民所得や福祉などの多大なる犠牲の元に、日本国と本邦企業は土地バブル・ITバブル崩壊などの痛手を癒して体力を蓄えてきた。 政治家の中にも言うべきことを言える人達も散見されるようになってきているし、グローバルな感性をもった若い企業経営者への世代交代も進んでいる。 アングロサクソン系大企業や資源バブルで台頭してきた新興国企業の変調を横目に見ながら、本当のパックス・ジャポニカが起きてもいいんじゃないか、と思う。 頑張れ、ニッポン! 頑張れ、日本のハゲおやじ!! カネと精子だけじゃなくて、知識とノウハウも振りまけ!!!






マクロ淫売経済



折りに触れneguroは外道諸氏にも経済や金融知識の必要性を訴えてきているのだが、8/27にタイ中央銀行が金利を引上げたことに寄せて、半年振りに本業に関連するエッセイでもしたためてみることにする。 ヒロさんからも、色々な情報を提供する事が外道の細道のミッションなので是非に、とのコメントも貰っているため、思うままを書き綴ってみる。 但し一言断っておきたいのだが、以下に書いてある事はあくまでもneguroの独断と偏見によるものであり、ことカネが絡む可能性もある話なので、金銭的なものを含めて外道諸氏に何らかの影響が出たとしても、そこはneguroもヒロさんも担保できかねる点は何卒ご了承頂きたい。 せいぜいインテリ外道を気取る際のネタ程度に捉えておいて貰えれば幸いである。

いきなり本題に入るが、嫁さんの舵取りもままならないのだから、一企業、ましてや一国の舵取りとなると本当に難しいことだろうと思う。 タイという国が直面する現状は、国内景気が減速する中でインフレが加速し、実質所得の低下や政治の混乱による景気センチメントの悪化から、景気の更なる悪化が懸念されているというものである。 経済のセオリーでは景気減速→金融緩和→景気持ち直しなのだが、一方インフレ進行→金融引締め→インフレ沈静化という側面も無視できないといった、二律背反の状況に置かれている。 これはタイに限らず、原油や金属資源価格、農産物価格が上昇する現状では、世界各国が同様に抱えている問題である。 その状況下でタイ中央銀行が下した決断は、まずはインフレの抑制とバーツ安の阻止を狙った利上げの実施であった。

この時点でいきなり異世界へ放り込まれた輩や、読むのを止めた奴も多いかな(笑)。 乱暴な言い回しを許して貰えるのであれば、今手を差し伸べてやらないと堕落していくオンナAと今しっかりと躾けておかないと益々増長する可能性が高いオンナBが目の前にいて、タイは後者Bに対する対応を優先したという訳だ。 つまり、Aが堕落する事でもたらされる悪影響より、Bが増長する事に伴う弊害の芽を先に摘むべきである、という判断ですな。 確かに淫売マンコの価格は不思議と大きく変動していないので外道諸氏はさほど実感が伴わないかも知れないが、ガソリンや食料品、様々な日用品の価格は先程述べた資源価格上昇の影響をモロに被っている状態で、7月のタイの消費者物価上昇率は前年比9.2%の上昇となっている。 そしてこの物価上昇傾向は向こう数ヶ月は続く公算が高いとみられている。

話が脱線するが、タイマンコも商品である以上それら物価上昇の影響を受けないのかとの疑問が湧き上がる…(そんな奇特な奴は少数派かwww)。 人間である以上食物は摂らねばならないし、通勤に使うタクシーやバスなど交通費の値段もバカにならんだろう。 加えて、商品のメンテナンスに使われるコスメや医療関係の出費、そして商品価値を押し上げる衣料品に関する出費など、タイマンコも物価上昇とは無縁ではない筈である。 しかし、一年前と比べて淫売価格が1割近く上昇しているという話は聞こえてこない。 ここで関係してくるのが先ほどのオンナAこと景気の状態であり、今回タイ中銀が利上げの決断に踏み切った理由の一つであるバーツ安なのだが、その関連性を面白おかしく平易に書き述べるテクニックは持ち合わせていないため、割愛する。 結論から言えば、景気が悪いし競争も厳しいので、値段を上げたくても上げられないのが実情であり、様々なコスト上昇分は店やもっぱら淫売の懐に皺寄せが行っていると考えるのが道理だろう。

次にバーツ安の阻止についてだが、そもそもタイの産業構造の位置付けとして中間財を輸入し、加工組立を行なった後に再輸出するという構図がある。JETROタイのHPを見ると、主な輸入品目が原油や産業機械、化学品、集積回路基盤などであり、逆に主要輸出品目がコンピューター・同部品、自動車・同部品、集積回路(IC)、天然ゴムとなっていることにも明らかである。 対ドルなど主要通貨に対してタイバーツが下落すると、材料を割高に買って逆に製品を廉価で販売することとなるため、通貨下落に伴う販売数量増加の効果よりは足下のコスト増と売上高減少の影響が懸念される訳である。 また景気を牽引してきた内需が減速していることもあり、建設用資材や消費財を柱とする輸入財国内価格を安定させる狙いがあると考えられる。 本来であれば原油価格下落はタイバーツのスタビライザーとなりえるのだが、その背景にあるのが米ドルの上昇であるため、この面でも痛し痒しの図式が垣間見えている。 だが政府としては2009年に向けてのエコカー・プロジェクトなど、加工貿易集積基地としてのタイの位置付け強化を図る狙いもあるため、利上げに踏み切ったのだと推察される。 今後の為替相場を考える上では、民主市民連合(PAD)による反政府デモの激・u梔サの影響w)なども考慮する必要があるものの、注目点は選挙不正問題を背景とする憲法裁判所による国民の力党(PPP)への解党判決であり、政治的空白が長引かない限りは為替に対する影響は限定的だろうとneguroは思っている。

長々と書いてしまったが、生活基盤に関わるモノの値段が上がっているためタイの景気が悪化しつつある、外道諸氏のお相手となるタイマンコの多くがその皺寄せを喰らっている可能性が高いという点はご理解頂けるだろうか。 余計なお世話だと思うが、ここまで書いてきた事を理解して貰えるのであれば、航空料金が跳ね上がる中でもわざわざバンコックまでマンコ買いに行くくらいなんだから、生活が苦しくなっている淫売達に100バーツや200バーツくらい余分にチップあげるくらいの余裕を持ってもらいたいと思うな。 語学が伴わないと難しい面もあるが、例えば通常300あげるところを500あげてもいいなと思ったとする。 まずはお約束通りに300だけ渡すと、それを彼女達はおざなりのワイをして受け取るだろう。 間髪を入れずに、この後、一緒に何か食べに行きたいけど、もう眠いからこれで独りで食べてね♪と更に100バーツを渡し、彼女のえっ!?という反応をみたら即・u檮タに、щuネΓ教碍源そうそう、これはキミの笑顔にね。]]ともう100バーツ。 これがスマートかどうかの判断はお任せしますが、同じ500バーツのチップでも、もっと言えばたかだか余分の200バーツで、彼女達が貴方を見る目が一変すると思いますが。





やさしさに包まれたなら





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それはよくある光景だったろう。 何の気なしに、いつも持ち歩いているデジタルカメラで撮影した画像を、彼女は笑いながら見せてくれた。 次々と変わってゆく画面に映し出されるプライベートな姿の彼女とその友人達。 タバコをくゆらせながらそれを覗き込んでいると、一枚の写真に私の目は釘付けになった。 彼女を真ん中にして3名がそれぞれに大きな袋を抱えてにこやかに写っている。 買い物にでも出かけた際のスナップかとも思ったが、それにしてもその袋の大きさが尋常ではない。 強いて言えば、サンタクロースが担いでいるほどの大きさ、という表現が適切だろうか。 そして、そこから続く数枚の画像は久し振りに僕の心を強く揺さぶった。 教室のような場所で大勢の子供達を前にする彼女達、食い入るような目線でこちらを見上げる子供ら、彼女に抱き上げられて満面の笑みをこぼす少年、そして先生とおぼしき人達も交えた集合写真。 僕の気配の変化に気付いたのか、彼女が説明してくれた。 「この子達は親がいないの。 それでお店の人達と時々差し入れに行ってあげるんだ。 みんな、可愛いでしょ。」 そう言って笑う彼女の眼差しは本当に温かで慈愛に満ちている、そう思えた。 僕からの答えは、その肩に回している手の指先に少しだけ力を込めてこちらへ引き寄せることだった…。 半年振りのバンコック滞在が終わりを告げる朝まで、あと5時間…。

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ロンドンから地球を半周して飛んでくるのもこれで既に3回目。 今まで同行してくれた「東大通」クンや「専務」クンは股間より理性が勝ったために業務の都合がどうしても付けられず、今回のバンコックは一人旅になった。 考えてみればここウン十年、一人旅なぞ物凄く久し振りである。 出張の合間にということではなく休暇として行くのであるし、今迄の弾丸ツアーではやはり事後に物足りなさを感じていたので、少しだけ長めの週末という形で行こうと思い立った。 金曜日の午後に到着して火曜日の昼間の便で帰国、これなら現地で4泊できる。 一人だと、滞在中に予定しているゴルフはストイックに回らざるを得ないかもしれないが、それでも熱帯独特の雰囲気の中へ自分を放り込んでしまえば、そんなことさえどうでもよくなるだろう、と思っていた。 そう、スコアなど関係ない、「サバーイ、サバーイ」、非日常の中へ自身を没入させる事で得られる浮揚感や、しがらみの無い世界へ踏み出す事で掻き立てられる好奇心、そしてなにより、例えそれが仮初であったとしても何がしかの温もりを僕は求めていた。

生憎と到着した金曜日はカオパンサー(入安居)の休日で、いわゆる風俗系のお店はタニヤからナナやソイカに至るまで、基本的に全てお休み。 バービアさえも全滅だろうという。 そればかりか酒類を提供するレストランも限られているとの理由から、ヒロさんと軍曹とでスクンビットの居酒屋へ出撃、久方振りの杯を重ねる事にした。 お互いに近況を語り合う中で、「ネグロさん、今回はどうしたい? またカマwwwww? でも今日はどこも開いてないよ、残念ながら。 ダメもとでマッサージ屋でも覗いてみる?」とヒロさんが聞いてくる。 「んー、そうねぇ…。 今日はサウナでも行って半年分の垢を落としてゆっくり寝ようかとも考えてたんだけどさ。」 「ありえねぇwwwww、今回4泊でしょ。 1泊たりとも独り寝させる気はさらさら無いからね!」と力強いお言葉。 仕事の都合でここから先は失礼しますという軍曹と別れて、我々は近場を彷徨ってみることにした。

結局、どこもかしこもバンコックとは思えないほどのひっそりした雰囲気だったため、スクンビットのマッサージ屋へ戻り、そこで今晩のパートナーを見つけて帰ろうという運びになった。 ヒロさんやママさんの勧めでBちゃんにお相手をして貰うことになり、支払いを済ませてホテルへとタクシーで向かう。  ジャスミン・シティは初めてだという彼女は、部屋へ入るなりベッドルームへ入って行き、仕事の準備を始めている。 シャワーを浴びて出てきた彼女は、僕がソファーでゆっくりしているのにちょっと面食らった様子で、何か飲むかとの問いかけにもベッドルームの方をちらちら見て仕事の事を気にしている様子だった。 ゆっくりしなよと言いながら、佇んでいた彼女の手を引いて冷蔵庫まで連れて行き、好きなものを飲めと言うとハイネケンがいいと。 雑談しながら飲んでいたら、冷蔵庫にあった缶ビールを全てあっという間に飲んでしまい、フロントに頼んで近くのコンビニから更に大瓶10本を買ってこさせた。 追加の大瓶が二、三本空く頃になってようやく我々はベッドルームへと足を運んだ。

適度な酔いと男に身を任せてしまった開放感からか、Bちゃんは問わず語りに身の上を話し始めた。 それはタイではありがちな、田舎には両親がおり妹や弟が若いために自分が身体を張って金を稼いでいるという話。 張り詰めた毎日を過ごしていたものが、酒の力も手伝ってふと僕の前でその糸が緩んだのかもしれない。 田舎にいる弟との確執に話が及んだ時、その瞳から涙が流れ出し、拭っても拭ってもしばらくは途切れる事がなかった。 「ごめんなさい、こんな話して。 普段お客さんの前ではこんな事は話さないのだけど、今日はちょっと変な感じ。」 「飲ませ過ぎたかな、でも田舎帰りたいの?」 「帰りたいけど、そうしたら誰もお金を稼ぐ人がいなくなってしまうし。」 「じゃぁ、割り切って頑張らないと。 禍福は糾える縄の如し、そのうちいいこともあるさ、そうだろ。」 もう一本飲もうかという雰囲気になった時彼女の携帯に友達から電話があり、できれば今からアパートに帰って彼女と一緒に居てあげたいのだが構わないかと。 ダメだという理由も特に無く、彼女は明日もまた一緒に過ごしたいというので、明晩また店に立ち寄る約束を交わして、彼女は部屋から出て行った。

飛んでくる機内で、浅田次郎氏の短編小説『ラブ・レター』を読んでボロボロ泣いた。 幸い皆が寝静まっている時間帯だったから露見しなかったものの、声を殺して泣き、涙は流れるままに任せた。 掻い摘んで言えば、「裏ビデオ屋の雇われ店長が、偽装結婚した相手の中国人女性から死ぬ間際に手紙を貰う」という筋書きだが、その内容は哀切極まりない。 自身、齢四十をとうに超え、日一日と色々な経験を積んで心が厚化粧をしていく。 哀しみに対する耐性が付いてきた代わりに、歓びに対する素直な感情の発露が出来にくくなり、そうやって人は皆冷静な「大人」になっていく。 突然の彼女の身の上話に自分の感情が惑わされる事はなく、彼女は何をすべきかを冷静に話す自分が今日其処にいた。 その意図は分からないままであるが、少なくともその眼から溢れた涙を見る限り、彼女は私に対して心を開いていた。 彼女への関心はあるにはあったが、しかし、前のめりな気持ちにはなれないまま独りベッドに身体を横たえた。 小説には感情移入できても、現実に対しては極めて醒めている自分に少し悪態をつきながら。

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既に一度放出した後だというのに、しなだれかかってくる彼女を抱き止めていると、如実に昂りが増していく。 僕の胸に埋められていた顔がつと上に動き、その柔らかな唇がキスを求めてくる。 お互いを貪るようなキスがしばらく続くなかで彼女の指先が昂っている箇所へと伸びていき、静かに上下動を始める。 ふと彼女はその手の動きを止めて、こちらを見つめて悪戯っぽく微笑みながら、「元気ね、タルン。」と。 「貴女がそうさせたんでしょ、タルン。」という言葉を聞き流し、彼女は私の股間へと顔を埋めていった。 触れるか触れないかぐらいのタッチで裏側を先端へ向かって舐め上げていき、そしてまたその微妙な感触のまま徐々に根元へと下りていく。 時には舌先に少し力を込め、またまとわり付くような咥え方をする、彼女はそんな僕のツボを分かっている。 緩急自在の彼女の動きを受けて、ゆっくりと膝から太腿、腰にかけて何とも例えようの無い快感が広がっていく頃には、僕のそれは彼女の熱い口にすっぽりと包まれており、襲い来る快感の波に身を委ねていた…。 僕らに残されている時間はもうあと僅かになりつつあった…。

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バンコック滞在も早くも3日目となり、今日はクルンカビGCで2ラウンドもしてしまった…。 カートで回る気楽さも手伝って、バンコックのゴルフは楽しい。 鬱蒼と茂る木々やここぞと咲き誇る南国の花々に囲まれ、纏わり付く熱気に滴り落ちる汗を拭い、時折吹き抜ける一陣の風に涼を取りながら渇いた喉に冷えたシンハを一気に流し込めば、セックスより気持ちいいんじゃないかという錯覚にさえ囚われる。 Bちゃんは昨日もホテルへ来てくれたが、前の晩は夜を徹して友達と酒盛りをしていて一睡もしてないと言い、出来れば早く自分のアパートへ帰って寝たいような素振りであったので、することだけ手早く済ませてお引取り願った。 やはり何かが違っていた…。 彼女が与えてくれたものと私が求めているものの間にギャップがあった。 夜の街に供給される女性達の年齢は常に二十台前半が中心であり、年々自分との年齢差は乖離していく。 その差が拡がれば拡がるほど、自分が求めるものとのギャップを埋める事は難しくなっていく。 「今晩の煩悩堂さんを交えた夜遊びをきっかけに何かまた変化があるといいんだけどな…。」、そんな事を考えながら放ったティーショットは見事池の中へ吸い込まれていった。

ディナー時間のスラウォンのソンブーンは芋洗い状態だった。 それにしても相変わらず転がされているハゲ親父連中の多い事、多い事。 そんな環境だから今晩の行動計画をあからさまに話しても構わんだろうと思っていたら、案内されたテーブルの隣は日本人の4人組カップルだった…。 デリカシーの欠片もないヒロさんが「淫売」や「マンコ」といった下卑た単語を大声で連発するなか、煩悩堂さんは困ったような顔をしながらも、ゴーゴーには興味をそそられているらしく、前のめりになって聞いている。 「ねぇ、ネグロさん、やっぱカマの甲子園には行かないとだよね、ね!」 「そうそう、煩悩堂さん、人生変えてみません?」 「いえ、あの、ありがたいお話なのですが、その、ちょっと…。」 消え入りそうな声で答えている。 二者協議で、いきなりオブセッションに連れて行く前に普通のゴーゴーで少しテキーラでも飲ませて理性を飛ばさせ、そこから甲子園のマウンドに登って貰おうか、と決めた。 そして我々はまず『バカラ』へ向かう事とした。

我々の目論見はもろくも崩れ去った…、煩悩堂さんが脱走したのだ。 脱走は大袈裟だが、確かに「逃げた」wwwww。 最初こそ『バカラ』の二階で眼前のダンサー達を舐めるように鑑賞していたのだが、僕らがロリザル3匹をテーブルに呼んで撒き餌のテキーラを振舞いだした辺りからどうやら危険を察知したらしい。 もう一度下のフロアを見てきます、そう言い置いて彼は階下へ消えていった。 もう少ししたら戻ってくるだろうと、またダンスに戻ったロリザル達を眺めながら、「東大通」や「専務」の勇姿に二人で思いを馳せ、彼らであれば一も二も無くこいつらをペイバーするだろうねぇ、などと話しながら暫く待っていたものの、彼は全く戻ってくる気配が無い。コーラ攻撃に嵌ってなければいいが…と取り敢えずこの場の支払いを済ませて下のフロアへ降り、二手に分かれて探索開始。 と、入口近くに座る煩悩堂を発見、「すいませーん、この娘ペイバーしましたー。」 安堵するやら呆れるやら、彼をロリザル山へ放置して、我々はショバを変えることにした。

我々の足は迷うことなくナナプラザ一階の奥へと向かった。 前回、前々回ともにここにはお世話になってしまっているし、二日間のすっきりしない気持ちを何か強烈なもので吹き飛ばしたい、そう思っていた。 個人的には前々回ペイバーした、ヒロさん曰く「年増系wwwww」の彼女のほうがノリは合っていたので、餌を求める池の鯉のように集まってきた眼前のカマだかりを他所に視線を泳がせてみたのだが、残念ながら見当たらなかった。 僕の事を覚えていた前回のエイリアン・カマが寄ってきてしきりに媚を売ってくるのだが、「ホントに気に入ったカマとしか二回はハメない」との矜持がある僕は何だか気が萎えてしまって、適当にあしらい続けていた。 どうやらその日の甲子園はハズレだったらしく、ステージの上で踊るカマにも目を見張るような綺麗どころが全くと言っていいほど見当たらない。 そんな僕の様子を察したのか、「今日はダメだね、店変えようか? 二階とか三階も覗いてみようよ。」と。 ここだけは何か違うものがあると信じていた場所で外してしまった上、昼間のゴルフの疲れも出てきて何だか少し投げやりな気持ちにもなりながら、『オブセッション』を後にした。 この時は、よもや数分後に衝撃的な出会いが待ち受けているとは考えもしなかった。

初めて入る店だったが、内装は割りと小奇麗で、客はさほど多くなかった記憶がある。 入口をくぐって奥まった席へ案内される間に、既にヒロさんと僕の間を4人がそれぞれを挟むような順番で歩いており、我々ターゲットは「ロックオン」されていた。 席へ着いて両隣を挟まれ、さてどっちにする?と。 その間ステージ上からも私を選んで頂戴!とのアピールビームが飛んできていて、新しい店の状況にちょっとだけ…興奮した。 それなりに可愛く、少し大人の雰囲気のある彼女達は甲乙付け難い。 でも裏を返せば、どっちでも同じ。 つまり、どちらを選んでも物足りなさは付きまとってしまうのかな、さてどうするかと思案しているところに、ヒロさんが「ネグロさん、どう?」と言葉を掛けたのと同時に、彼の両隣に座っていた彼女達もこちらへ顔を向けた。 と、その瞬間に僕の視線はヒロさんの左側に座っていた、最初こちらからは容姿が確認できていなかった「彼女」に釘付けになった。  もとい、一瞬で心が囚われた。 ママさんもやってきてどうするのかと問われて、一瞬俯いて考えた後に両隣を無視して「美奈子」を指名した。

周りもこれには意外だった様子で、ヒロさんもしきりに理由を知りたがった。東京にいた頃に派遣社員で「ミナコ」というモデル経験もある部下がいたこと、何故か「ミナコ」は僕に非常になついておりプライベートでも良く遊びに行ったこと、でも男女の関係には一切発展しなかったこと、そして「美奈子」は彼女とその容姿がそっくりだったこと、などを掻い摘んで説明した。 サラリーマンをした事のない彼はこのシチュエーションに大いに興奮したらしく、頼んでもいないのに、僕が彼女を選んだ理由をわざわざ「美奈子」に通訳していたwwwww。 ヒロさんからの説明を聞いた彼女は微笑みながらこちらへ向き直って、「私を選んでくれてありがとう。 貴方の友達が別の女の子を指名したから、私の出番は無いわねって思ってたの。」と言いながら軽くワイをしてきた。 話が進むうちに自分の中で「ミナコ」と「美奈子」が錯綜し、何だかもやもやしていた気分もすーっと軽くなっていく頃、今晩はこの娘と過ごしてみようと決めた。

「彼女、日本人の彼氏がいるらしいよ、アキラっていうんだってさ。」 タクシーから降りた後、ホテルの前の7-11で買い物をしている時に、ヒロさんがそっと耳打ちして教えてくれた。 バイクで帰る彼に別れを告げた後、部屋でビールとコーラでそれぞれに喉を潤している時に、意地悪かなとも思ったがヒロさんから聞いた事をストレートにぶつけてみた。 ニヤッと笑いながら、「もー、しょうがないわねー、貴方の友達。 言わない約束で教えたのにー。」 「そりゃ、美奈子ちゃんぐらい綺麗なら男の一人や二人は居て当たり前でしょ。 確かに同じ日本人っていうのはちょっと悔しいかもだけど。」 「まあ今日はその事は忘れて楽しみましょ。 それに貴方の肌の色、全然他の日本人と違ってるから、意識もしないで済むしねwwwww。」 一連の会話を通じて彼女の頭の回転の速さには気付いていたし、それなりに英語を解し話すので、然るべき教育を受けている事は容易に想像できた。 聞くとやはり大学を出ており、サイエンスを修めたという。 「それじゃ、僕とアキラとどっちがいいか、今晩ゆっくりと考えてみてね。」、そう言って美奈子をソファーへ押し倒した…。

次の日の頭の上には夏の空がぽかんと広がっていて、その空の主は我が物顔で熱波を振りまいている。 月曜日のゴルフはムアンキオに向かった。 初めてプレーするコースだったので、タイのゴルフサイトを幾つか覗いてみたところかなりいいコースとの情報が載っていたが、確かに立派なクラブハウスに良く手入れされているコース・コンディション、18歳の初々しいキャディーとの2ショットも手伝って非常に充足感があるラウンドだった。 しかし…、やはり18歳のお尻は魅惑的を通り越して危険でもあり、ラウンド中何度も自制心を働かせねばならなかったのには自分で閉口したwwwww。 当然彼女はこちらの真意など分からないから、日傘を差そうとする彼女を制してフェアウェーに立ち続ける僕に時折怪訝な表情を向けてはいたけれど。 今日が最後の夜になるけれど、逢いたいと思う人がいることだけでその日の僕は満足だった。

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濃厚な時間は足早に過ぎて行く…。 「あのね、今日私とっても心配だったの、だってお客さんは皆『明日又来る』って言うけど、来た例がないもの。 ママさんには、今日は他のお客さんとはロングは絶対無しで、出来ればショートも嫌だって話しておいたから、顔を見るまでは本当に不安だったの。」 「でも僕はちゃんと約束守っただろ。」 「うん、…コップンマークカー。」 「貴女は大学も出ているし、英語だって話せる。 無粋な質問だけど、でもどうして貴女はこの仕事をやっているの?」 「それは幾つか理由はあるけど、やはり親に楽させてあげたいから。 妹もバンコックで同じ仕事をしているけれど、彼女はまだ若いし、やっぱり私が近くに居て面倒見てあげなきゃならないし。 そして、私が私らしく居られるから…かなぁ。」 そう言った時の美奈子の表情に翳りは無く、むしろ能動的な強い意志さえ感じられた。 「貴女は…優しい人だね。 別の言い方をすれば、温かくさせてくれる人、かな。」 「そうそう、忘れない内に貴方のメールアドレス書いて頂戴。 今度私のセクシーな写真送ってあげる。 寂しくなったらそれ見て自分で抜いてねwwwww。」、そう言って彼女はまたキスを求めてきた…。

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最後の夜は盛り沢山だった。 『ばんからラーメン』で久し振りの本格的豚骨ラーメンに舌鼓を打った後、『タラワディー』でババを掴みwwwww、部屋へ戻って一服した後にスクンビットのしょぼい居酒屋へ。 工場勤務のお父さん達の寂しい背中を見学した後に、近場の場末カラオケへ。 何だかターゲットとする客層が違うようで、女の数は無茶苦茶多いものの、タニヤに比べて寂れた感じがどうしても否めない。 そういえばムスリムの淫売を初めて見学、その意味では行った価値はあったかも。 もうこの時点で美奈子にまた会いに行く事を固く決めていたのだけれど、やっぱり最後はナナ見に行きましょうとの提案はむしろウェルカムだった。  ところが『オブセッション』の入口で、ヒロさんが魚河岸声のメイちゃんとセーラームーン2に発見され、そのまま店内に捕食される。 昨日のぐったり感とは打って変わって今日の甲子園は熱気に溢れていたが、カマのウェイトレス達のドリンク攻撃がうざくなって来たので速攻で退散。 毒気に当てられたヒロさんがちょっと口直ししませんか、というので『レインボー4』も覗いてはみたものの、今の僕の頭の中にはもう美奈子しか居なかったので、ここも直ぐに撤収した。 それにしても、4日間丸々アテンドしてくれたヒロさんには頭が上がらない。 危険を冒してタバコ2カートン買ってきておいて良かった。

『レインボー4』に入っていく際に見咎められていたらしく、お店の前で美奈子は待っていてくれて、僕らが姿を見せると嬉しそうに抱きついてきた。 席についてから、2件ハシゴしてきた事を素直に話すと、繋いでいた手をぎゅっと握り締めてそっと頬にキスしてきた。 昨日の今日で彼女も心を開いているのか、そう多くは言葉を発せずに僕の肩に頭を預けており、まるでゆったりと寛いでいるかのように思われた。 不意に彼女が顔を起こして僕に向き直って言った。 「あのね、今日貴方が私をペイバーしなかったとしても、お店に来てくれさえすれば私は紙に書いた自分のメールアドレスをあげようと思って待ってたの。 だって貴方は明日ロンドンへ帰るでしょ、前の日はゆっくり寝たいかも知れないから、そういう可能性もあるかと思ってたの。」 彼女からの問いかけに対する返事は保留したままで、絶妙なタイミングで登場したママさんに彼女を直ぐにペイバーする旨を伝え、ママに少しからかわれている彼女を急かして着替えに行かせた。 改めて彼女がくれたその優しい気遣いに感謝するとともに、もっと早くに彼女と出会えなかった事を少し残念に思った…。

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「また逢えるかしら?」、帰り際に美奈子が尋ねてきたので、「勿論、いやこっちから逢いに来るよ、君にね。」と、僕にしては珍しく間髪を入れずに答えた。 …そして美奈子が去った後、不意にこの歌が聞こえてきた…、気がした。 朝はもうすぐそばまでやってきていた。

やさしさに包まれたなら

(作詞:荒井由美、作曲:荒井由美/編曲:松任谷正隆)



小さい頃は神さまがいて

不思議に夢をかなえてくれた

やさしい気持ちで目覚めた朝は

おとなになっても 奇蹟はおこるよ

カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の

やさしさに包まれたなら きっと

目にうつる全てのことは メッセージ

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(完)








コラム 『タイの資本規制解除=緩やかなタイまんこ価格の上昇を示唆』


『ビッグマック指数』というものを耳にした事があるだろうか。 これは各国の経済力を測るためにイギリスの経済専門誌『エコノミスト』が考案したものであり、平たく言えば、世界中どこへ行っても提供されるビッグマックの品質は一緒である(だろう)との考えに基づき、その販売価格に反映されるのは原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など各国の様々な要因(コスト)である、という考えに基づいたものだ。 これを用いると、各国の経済状況やその関数である為替水準などの一元的な比較が容易になる、との趣旨でよく引き合いに出される指数である。 同誌が発表している2007年度ビッグマック指数(07年7月時点)によれば、米国ではビッグマックが3.41ドル、日本は280円となっており、その時の円/ドルの為替レート122円を基に計算すると日本で売られているビッグマックは2.29ドル、つまり日本円は安すぎるため3割程度円高が進んでもおかしくない、との推論が導けることになる。

ところで、外道といえばタイである。 タイのビックマックの価格は昨年7月時点で62.0バーツ、当時のバーツ/ドル為替レートによれば1.80ドルということになる。 前述のロジックに従うとタイバーツは米ドルに対して5割近く割安であり、昨年7月時点での34.5バーツ/ドルがざっくり倍の18バーツ程度でやっと均衡が取れるという計算である。 ちなみに、米ドルに対してタイ並みの割安度を誇っているのが、中国、エジプト、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ロシア、ウクライナ、スリランカと圧倒的にアジア地域の国々が多い。 というか、外道者がこれらの国々の名前をみても、あそことここのまんこは拝んだことあるから、食った事のないまんこは●●だな~。と下卑た感想しか出てこないだろうな。 それが一般大衆の感覚だろうと、私も思う。 ネグロもまだスリランカまんこは口にした事がない。 ちなみに何故香港のマックが安いのか。 それは、深?(シンセン)に代表される珠江デルタ地帯、つまり中国の廣東省と地続きであるため、香港では安い食材が調達可能なためである。

さて本題に入ろう。 2月29日にタイ中央銀行は資本規制の完全解除を決定した、というニュースが流れている。 小島よしおの決め台詞が聞こえてきそうだが、外道のみんなに関係ある話なのだ。 ヒロさんはこのニュースを教えた時はクスリをやってなかったようで、淫売のマン汁漬けになってる外道民の脳味噌にもわかるように説明してやってくれ。と、非常に尊大な態度での依頼があった。 素直に俺にはわからないから教えてくださいと言えばいいものを…。 まぁ1月の訪タイ時に専務が大変シモの世話になったこともあって、次回にオブセッションの彼女(彼氏…とも言えるが)の個人情報を入手しておくことを条件に、今回のコメントを書く事にした。 こちらロンドンでは草木や花が徐々に芽吹き始めて漸く長い冬が終わろうとしている。 春といえば草花、草花といえば萌黄色、萌黄色といえばオブセッションの制服ビキニ、あぁ剥ぎ取ってやりたい…、との思考無限ループに陥る今日この頃である。

中央銀行が発表した内容は、一昨年年末に導入した資本規制を完全解除する内容であり、それには以下の事柄が含まれている。 タイへ新規投資する投資家に対して総投資額の30%を無利子の準備金としてタイ中銀へ預託する事の義務付けの撤廃や、 既に対象外となっていた外国直接投資(FDI)や株式投資、不動産投資に加えて、債券投資や海外からの借り入れ、投資信託への投資など全ての外貨取引が規制対象外となった。 何言ってるかわかんない奴らばっかりだろうから、乱暴だが無茶苦茶平易な言葉で言えば、海外からタイのものを買う事には今後全く制限を設けませんという事である。 諸氏も何か事を起こす時に、細かいルールが沢山あるものよりシンプルなものの方が好ましいと思うのは言うまでもないだろう。 資本家やプロフェッショナルな投資家も同じ。 シンプルイズベスト、つまり今回のタイ政府による決定は、投資の世界におけるルールの簡素化ということだ。 その証拠に発表が為された2月29日には32.0バーツ/ドルから31.3バーツ/ドルへとタイ通貨が急に上昇していた。

今後想定される事は2つある。 一つには対ドルでみたタイバーツの為替レートは徐々にバーツ高の方向へ動いていくと予想されること。 二点目として、オンショア・オフショア市場のレートの乖離が解消に向かうと見込まれることである。 毒ギョーザ事件や反日暴動など他の要因もあるが、基本的に国内経済が急成長した事に伴うコスト上昇によって日系企業も含めた海外企業による中国進出が鈍化しており、その矛先がタイやインドなどの南アジア地域へ向かい出した事が背景にある。 企業が工場を作ったり事務所を開設すれば人と物の流れが増加する、自然とそこで発生するカネの遣り取りが増加し現地に滞留するカネの量が増えていく、現地で滞留したカネは消費や投資という形で更に人と物の動きを増幅させる、というのがエマージングといわれる新興国市場で今現在起きている動きだ。 先ほどのビッグマック指数で示されているように、外国からみてその国の物価水準が割安であるとみられるほど、そのうねりは大きく長く続くことになる。

この説明を読んでも般若心経を眺めてる感覚に囚われるマン汁頭にはこう説明すればわかるか? 例えばナタリーでサイド淫売のお値段が2500バーツとしよう。 現在の日本円/タイバーツの為替レートが約3.3円なので、凡そ8000円強。 まんこ一発の値段としては国際比較で見ても安い部類に入る。 サービスの内容と時間に加えてその質云々も考えれば法外に安いとも言える。 だから皆こぞっていそいそとタイ詣でをしているのだし、日本では食費に事欠く学生でも淫売遊びができる訳だ。 だがもし為替がほぼ2倍の約6円になったらどうだろう? 一発15000円は安くないと思う人間も出てくるんじゃないか。 まんこだけじゃない、現地に友達でも居てタダで寝泊りできるならまだしもホテル代も倍、絶対値が安いとはいえタクシーや地下鉄など交通費も倍、淫売とソイの屋台で食べるメシ代も倍、てぃっぷぅぅ~も勿論2倍のお値段になる。 それでも今のように気軽に淫売遊びを続けるか? 家族にばれないように工面する裏金工作の苦労も倍になるぞ。 今回のニュースはそういう可能性を示唆している、という事はマン汁頭に入れておけ。

そんな水準になったら観光業とか輸出面で影響を受けるから為替介入などの手段で政府が動くだろう…。 甘い。 政府は動かない。 資本が入ってくれば法人税が見込める、原油が上昇していることでインフレが起きているが自国為替が強くなればインフレ緩和効果がある、タイに多い自動車産業などでは製品の高度化による輸出競争力強化が進行しているからバーツ高の影響を以前より受けにくい、など幾らでも理由はみつかる。 とはいえ、今日明日に為替がいきなり倍になることは有り得ないし、むしろ緩やかなバーツ高となることこそ国内外が歓迎すべき落とし処だろう。 それなら八方丸く収まる。 97年のアジア通貨危機直前の円/バーツは約5円、通貨危機発生後に約2.3円へ急落、つまりこの時はまんこ指数が一気に半分以下になったということだ。 その後2.5~3.2円位の水準で安定していたが、一昨年から徐々にバーツ高が進行しつつあり昨年には10年ぶりの4.0円を超える水準となった。

ドルとバーツの関係だけをみれば、米国景気の鈍化の影響でバーツ高が徐々に進む方向と考えられる。 問題なのは米ドルと円の関係かもしれない。 円/バーツは3.27円程度で取引されているが、これはドル/バーツが31.53、円ドルが103.3というレートに基づいた計算である。 通貨危機以前のドル・バーツは25.0近辺でペッグ(固定)されていた訳だが、仮にドル/バーツが25.0まで上昇するとしよう。 円/ドルが100円前後で推移していれば足下の約3.27円から約4円へ22%位の上昇で済むが、仮に昨年夏に付けた124円まで円安になっていたとしたら約5円まで5割近い変動となる。 円高が進む可能性も否定はできないものの、相対的に円/バーツのレートは徐々にバーツ高の方向へ動いていく事が予想されている訳だ。 いつ行こうかと思い悩んでいる奴らは早めに計画して実行した方がいいだろう。 定期的にタイまんこを買いに渡泰する外道諸氏は今のウチにバーツを買いだめしておいてもいいのかも知れない。 世界に類を見ないバラエティと安さで外道連中を魅了して止まないタイまんこのお値段は、今後緩やかな上昇が見込まれている。

ネグロ





「夢と魔法の国」弾丸ツアー DAY TWO -前編-



時差ボケなのか興奮からなのか、結局昨晩は殆ど眠れなかった…。 普段から週に2回程度の午前様は当たり前の生活となっているので多少の睡眠不足は大丈夫だが、今日は朝っぱらからゴルフした後に深夜まで歓楽街巡りという強行軍になる予定なので、さてどこで仮眠をとるか?なんて事を考えながらゴルフ場への迎えの車に乗り込んだ。 今回予約してもらったのはクルンカビというセミパブリックのコースだが、思ったより良かったというのが感想である。 東大通にとっては初めてのタイでのゴルフ、「ネグロさん、キャディがわらわらとついてくる例の殿様ゴルフやりたいんですけど…。」という彼のリクエストに応えて、一人に二人ずつキャディを付けた。 カートの運転手兼クラブ選択担当と、専ら日傘を担当との2名である。 従ってグリーンにオンさせると、2人で回っているのに何故か6人いるという構図である。 こちらとしても寝不足だったので、実に楽にラウンドできて助かった。 ところで東大君、ちょっとショットに力強さが足らない事が多かったのだが、キャディが「東大さぁぁぁん、のぉぱわぁぁぁ。」と言っていたので、昨晩はタイの女性を求め大変だったのだと説明したところ、キャディ4人でゲラゲラ笑い転げていた。 眉を顰めるのではなく、まるで面白い漫才でも見たかのようなこの開けっぴろげなリアクション、この辺がなんとも言えずタイだなーと実感する。 コース自体はバンコックという土地柄で基本的に高低差がさほどなく、池とバンカーで構成されるハザードとの闘いだが、至るところにタイの国花であるゴールデンシャワーや交雑種のレインボーシャワーが生えていて、南国を実感できるこれらの美しい木々を眺めながらラウンドしていると、多少スコアが悪くったってマイペンライという気持ちになってくる。

ラウンドを終えて直ぐに市内に戻る事も出来たのだが、折角なので午後の行動計画打ち合わせも兼ねてクラブハウスで食事をしていく事にした。 各自1本ずつシンハビールを頼んだのだが、これがキンキンに冷えていて実に美味い! 近年あれほど美味いビールを飲んだ事はなかった。 さて私はセンミーナーム、東大君は何故かサバ味噌焼き定食を食しながら今晩の行動計画を確認する。 ホテルへ戻って外道ヒロさんと待ち合わせ、まずは昨日適わなかった風呂屋へ是非行こうという事にした。 風呂屋から上がった後は適当にメシを喰らい、また風呂屋へ行くか、お持ち帰りのカラオケ屋へ足を伸ばすか…。 そうそう、昨日のカマにもまた逢いたいなぁ…などと考えていたが、結局は「ヒロさんもいるし、まぁ出たトコ勝負でいくか」という結論に落ち着いた。 それにしても、今回のゴルフは運転手付きの送迎ワゴンとプレーフィー、キャディー4人分、レンタルクラブ2セット、レンタルカート2台、最後にキャディに渡したチップや食事代なども含めて2人で総額12,000バーツ程度。 これを高いと見るか安いと見るか人それぞれだろうが、我々にしてみればこの内容でこね段ならまたチャレンジしたいというのが感想であった。 夜遊びした翌朝の早起きこそ辛いものの、それを補って余りあるバリューと満足感が得られると思う。 どうせ朝っぱらは淫売達も休息時間なのだし、ゴルフを多少なりともかじる方々にはオススメのレジャーだと思うが如何だろうか。

さて、ヒロさんと合流したものの、午後まだ早い時間帯で風呂屋のねぇちゃん達の出勤時間にはまだ大分ある。 ここで舌なめずりをしながら「じゃ、じゃぁメイドカフェでも行きますかっ♪」とのたまわった男が一人いた。 余所者のネグロと東大通にとってはどこで時間を潰そうと構わないので首をタテに振ったが、心の中で「ふっ、外道紘も焼きがまわったものだ。 ションベン臭い娘っこの前で鼻の下を伸ばすようになるなんて…。」と呟く自分がいた。 勿論、そんな素振りはおくびにも出さないが。 拉致された先はBTSアソーク駅近くのタイムズスクエアの中にある「ぴなふぉあバンコック店」。 なんでも本店は秋葉原らしい…。 日本のオタ文化の伝染威力は鳥インフルエンザなんか目じゃないくらいだと思う。 それはさておき…。 入店するなり東大君が「ちょっと抜いて…、じゃなかった小便いってきます」と席を立っていった。 まさか勘違いしたって事は…ないよな。 先客は2組程度でなんかオムライスみたいなのを食していた。 店内は明るく健全な雰囲気が漂っており、風俗店にありがちな饐えた香りがまったくしない。 欠席裁判で、東大君には「あ~んパフェ」なる付加価の欠片もない割には割高なコーヒーフロートを頼んでやり、我々は単にアイスコーヒーを頼んだ。 メイドカフェなんてと心底バカにしていたが、東大君にアイスを「あ~ん♪」と一口だけ食べさせてくれた娘は確かに可愛かった。 同時にそれを「可愛い」と認識し受け入れている自分の変化に驚いた。 つまり、彼女は「性の対象」とは全く認識されておらず、子犬や子猫などの愛玩動物を眺める感覚と言えば近いだろうか。 メイドカフェなるものに接して「萌える」という感覚とは近くて遠い感覚を味わった一時だった。

ぴなふぉあを辞した後、折角だから綺麗な風呂屋に行こう!とのヒロさんの提案で最初にユートピアに向かったものの、時間が早かったせいか女性の数が絶対的に少な過ぎた。 東大君もこれでは選びようがないだろうとの話になり、改めてタクシーに飛び乗ってヒロさんが「ここなら無難でしょ」というナタリーへ向かう。 ナタリーに来たのは何年ぶりだろうか、もう九年ぶりぐらいかも知れない。 久々の視界一杯の雛壇に心が躍るかと思いきや…、以外に中の女性の数が少ない。 しかし、こちらが立っているのと同じフロアのソファーやスツールには文字通り女性達が鈴なりになっている。 ヒロさん曰く、こちら側は出勤義務のないバイト感覚の女性達だというが、それにしても凄い数である。 物欲しそうな表情にならない程度に周りを見渡していたが、次第に品定めをするおやぢ連中とコンシーアの会話が五月蝿くなってきたので、ヒロさんが選んだ隣に座っていた娘を無造作に指名してカウンターへと向かった。 ヒロさんに言わせれば「オバサン」との事だが、彼女の名誉のために年齢は22歳だったと言っておこう(まぁ本当ならば、の話だが)。 名前はまたしても忘れた。 部屋へ向かうエレベーターの中でそっと手を重ねてくる彼女。 向こうは商売の一環だろうが男にとっては嬉しくない筈が無い。 何か話しかけてあげたかったが、エレベーターの中はおやぢと娘っこ達ですし詰め状態だったため、ニッコリ笑顔を返すだけにしておいた。 でも、雛壇の中にいた少し人生に疲れたような「オバサン」達に後ろ髪を引かれていたのは、誰にも内緒だったが…。

ここの読者はご存知だろうが、風呂屋では部屋に入ってもおばちゃんが風呂道具一式をデリバリーに来たり、飲み物のオーダーを取りに来たりで、暫くはやや緊張が解けないままの状態なので所在無げに座っているしかない。 彼女はとりあえず、という感じでお風呂にお湯を張って入浴準備にかかる。 それにしてもミニスカートの女性の後姿、パンティが見えそうで見えないという艶っぽさ、昭和四十年代風に言えばチラリズムってところだが、何とも情欲をそそるような仕草をするものだなと思っていた。 やがて飲み物も持ち込まれて慌しさが一段落し、彼女が部屋に鍵をカチリとかけたところで徐々に気分が高揚し始める。 こちらの上着、靴下、ジーンズを一つ一つ脱がせては丁寧に畳んでいき、パンツ一枚になったところで今度は彼女が服を脱ぎ始める。 上下とも黒のアンダーウェアを脱ぎ去った後には、ややあどけないといえばあどけなさの残る彼女の裸身があった。 その彼女がこちらを目線で促してバスタブへと誘う。 大きなバスタブに大の字に寝転がった私の脚の間に彼女が座り、ゆっくりと素手で身体を洗い始めたところで敢えて目を閉じた。 足先から徐々に身体の中心部へと洗う部分があがてくるに連れ、彼女の乳房に私の腕や太腿が触れるのだが、逆に目を閉じている事で突然のむず痒いような快感を走らせる。 そうこうする内に彼女の動きが一点に収斂していき、ふいに私自身が持ち上げられたかと思う間もなく、その裏側に彼女の舌先が這い始めた。 緩急をつけながらその先端を、裏側を、周囲を、まとわり付くような口技が襲い掛かかって否が応でも感覚が高められるため、それは急速に怒張していく。 やがて「ジュポッ、ジュポッ」という音を立てながらのフェラチオを施して貰う辺りでは、正直彼女の口内に射精しないように努めて自分をコントロールする必要もあったくらいだ。 暫くするとこれでは(若しくはここでは)イカないとみたのか、やや上気した顔を離して、ボディマッサージへと移っていった。 当然といえば当然だが、ボディマッサージをするには彼女が私の身体に沿って大きく上下に動く必要があり、こちらの太腿からわき腹にかけて彼女の恥毛が擦り付けられることで更に気分が高揚していく…。

ベッドへ移動してからは必然的にこちらが主導権を握る形になる。 バスタオルを巻いただけの姿で横たわる彼女の隣に添い寝する形で、片言の英語とタイ語での会話をしながら徐々にその身体を覆い隠すものを剥がしていく。 大人の手のひらにすっぽりと納まってしまいそうなその乳房を柔らかく愛撫しながら、彼女の表情の変化に注意を向ける。 緊張しつつも時折笑顔を見せていた彼女だが、首筋や脇腹、そして胸の上の敏感な箇所に手が伸びるとふっと眉間に皺が寄リ始める。 暫く胸への愛撫を続けた後に、徐々に彼女の股間へと空いた手を伸ばしてみると、やはりうっすらと感じ始めているのだろう、粘質をもった液体が指先にまとわりつく。 一旦手を離し、彼女の乱れた髪の毛を分けてあげながらその瞳を見つめ、見つめたまま徐々に自分の顔の位置を下に持っていこうとすることに対する拒絶反応がないことを確認して、彼女の脚の間に顔を埋めていった…。 しかし、「自分が」よりは「相手が」、気持ちよくなることに喜びを見出し始めたのはいつ頃からだろうか。 勿論、フェラチオされれば気持ちいいし、射精だってあの爆発的に沸き上がってくる官能の波に比肩できる愉悦の数はそう多くは無。 盛りが付きました、はいやりましょう、では生殖行為以外の何者でもなく、他の動物と何も違いは無い。 セックスするのに理屈はいらない、という意見もあるのだろうが、少なくともある程度の経験を培い、それには少なからずお互いの感情が伴う事、言葉だけでは満たされない愛情を再確認する行為である事、というものがおぼろげながらも見えてくる年齢にとっては、セックスとは「自分を認めて貰う行為」に他ならない。 ボーイフレンドとして、夫として、パートナーとして、そして一人の男として、相手に認めてもらいたいのである。 少なくとも自分はそうだ。 セックスが上手い下手の技巧の問題ではなく、例えその場で抱いている女性がワンナイト・スタンドの相手であったとしても、自分を知ってもらい、相手にも自分をさらけ出して貰いたいと思うのである。 それが端的に相手に気持ちよくなってもらいたいという形で現れ、あわよくば先にイって貰いたい、だから前技にはちゃんと時間をかける、と自分の中ではロジックが出来上がっている。 たかがセックス、されどセックス。

彼女の中に果てた後沢山マッサージして貰ったので一時間以上が過ぎていた。 「この後もあるし…」と思い、彼女に退室する旨を告げてチップを渡す。 今お財布に入れたお金で、彼女は今日何をするのだろう、買い物でも行くのかな、などとボーっと考えながらロビーフロアに降りた。 欲望をギラギラに剥き出しにした若い旅行客や伏目がちな中高年に相変わらずの大声で女を売り込みまくるコンシーア達を通り過ぎて、女性たちが座っている一角で所在無げに座っていた東大通のそばへ席を取る。 ビールを注文して、何やってんだかまだ降りてこないヒロさんを二人で待つ。 バンコックの風呂へもデビューを果たした東大君はやや上気した面持ちながらも、今回の弾丸ツアーの疲れが多少出ているようで、少し眠たげな表情になっていた。 まぁ夕方も遅い時間となっているので、これからヒロポン軍曹に合流して貰い、まずは夕食だろう。 レストランの選定はヒロさんと軍曹に任せるとして、多分今晩はゴーゴーだななどと考えていた。 思い返せば、ヒロさんと軍曹とゴーゴーでテキーラのボトルごと頼んで周り中の女の子にテキーラを飲ませまくったのももう一昔前である。 やっている事はここ十数年全く変わっていないのだが、体力の衰えと無駄な経験だけが蓄積されている。 それこそその当時は「バンコック、夜」なんてキーワードが並べば、「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!」状態で目先のことに没頭していたのだが、次とか後とかいったことを考えて今の行動を縛ってしまうようになっている。 これを「大人になった」というのなら、私は喜ばしいどころか「悲しい」という感想しか持てない。 無論やんちゃなだけで成長したらバカだろうが、自分を縛りすぎて周囲へのアピールが出来なくなっているのなら、多分その男性は魅力を一つ一つ失っているのだろう。 しめるべき所でしめるバカ、普段ジェントルマンの上司が時折見せる無邪気さ、そんなアンバランスさに女性は魅力を感じてくれるのではなかろうか…。 などとグダグダな思考に陥ろうとしていると、顔をテカテカさせた外道男が「あれっ!? 待たせちゃいましたかー?」と呑気に近づいてきた。

<「夢と魔法の国」弾丸ツアー DAY TWO -後編-」 に続く>





「夢と魔法の国」弾丸ツアー DAY ONE


人間はレッテル貼りが好きな動物だと思う。 「~な人」、「~の人達」といった具合に、他人をカテゴライズすることで自分との関係を測ろうとするのかもしれない。 その意味で私は社内においては「アジアの人」というレッテルが付きまとう事が多い。 事実としてはアジアにはたかだか5年駐在していただけだが、外道さんのサイトでも紹介されている通り、その間の破天荒な行動が陰に陽に喧伝されるうちに「アジア大好き人間」「アジアのことを良く知っている人間」としてのレッテル拝領に繋がったのかと思う。 自分ではそれは素直に嬉しいことであると受け止めている。 ただ、アジア駐在の任を解かれてから早くも6年の時が経ち、業務上でも殆どといっていいほど繋がりが無くなってから既に2年強が経過しつつあった。 ロンドンというアングロサクソン文化の中心に放り込まれ、距離的にも文化的にもアジアとの縁が薄くなりつつある中で、折に触れノスタルジーが強くなりつつあったのだろう。 特に今年のロンドンは春先から雨がちで気温の上がらない日が多く、焼け付くような日差しを無意識に身体が求めていた気がする。

以前から「バンコックへの弾丸ツアー」を決行したいという思いは強かったものの、如何せん直行便でもフライト時間が11時間程度かかり、勿論航空運賃もバカにならないため逡巡していたが、若手同僚の「それは是非行きましょう!」という鶴の一声で私の決心は固まった。 この頼もしい彼の名は仮に「東大通(とうだいとおる)」クンとしておこう。 名前に偽りは無く、ホントに東大卒のバリバリのトップセールスマンである。 東大通の特徴を一言で言えば「即断即決する男」であり、今回のツアーでも随所にその頼もしさが垣間見られた。 実を言えば今回もう一人参加の意向を示していたのだが、業務の都合上彼は泣く泣く断念したという経緯である。 今、後悔の塊となっているその男の名前は、その風貌が上級役員クラスであるため「専務」と呼ばれており、私が情報収集のために購入した「G-Diary7月号」を舐めるように熟読した男である。 まぁ次の機会があれば、彼は万難を排して参加するだろう。 話が逸れてしまったが、相談の結果、7/13(金)の夜行便でロンドンを経ち7/14(土)午後にバンコック到着、7/16(月)の深夜にバンコックを出発し7/17(火)早朝にロンドンに戻るというスケジュールで落ち着いた。 以下、今回の弾丸ツアー概要を随筆風に綴らせて貰う事にする。

6年振りに降り立ったのは慣れ親しんだドンムアンではなく、新しいスワンナブーム空港だった。 関空、香港、仁川、上海とアジアの新しい空港を見てきたが、みな同じ"顔"をしているようだ。 新空港はかなり機能的に設計されているが、あの古めかしいドンムアンを懐かしく思うのはやはり郷愁のなせる業だろうか。 入国審査を待つ間に、ちょっと間延びした、やる気のないような、それでいて妙に優しい心持になるタイ語の会話が耳に飛び込んできて、久し振りのバンコックだという実感に心が躍る。 欧州通貨が高いことを最大限メリットとして活かせる両替を済ませた後、ホテルへ向かうためのピックアップをしてもらい、一階まで降りたところで初めてバンコックの外気に触れる。 「蒸し暑いッスねー、でもこういう暑さもいいッスよねー。」と東大通の感想を横に聞きながら、私はやっと戻ってきたという実感に溢れていた。 一歩間違えば不快感につながる、この蒸し暑さもバンコックの"顔"であるからだと思う。 待つこと暫し、迎えのワゴン車に乗り込んだ我々は一路今回の宿に指定したサトーンのサービス・アパートメントに向かう高速に乗った。 様々な投資資金が流入してタイバーツが上昇しているというニュースを目にしていたが、確かに以前に比べて高層ビルの数は増えているし、空港も非常に多くの観光客で賑わっていた。 第1次アジアブームの終焉、それに続く通貨危機、1ドル=25バーツのペッグ制だった為替レートは一時期半値以下の56.45バーツまで下落したものの、最近では30バーツ程度まで戻っているから、もう傷は殆ど癒えたと言っても過言ではないのだろう。

チェックインして部屋で荷物の片づけをしていると、フロントから来客を告げる旨の電話が鳴った。 やがて部屋に現れたのが…、「外道ヒロ」さんだった。 スコタイホテルでお会いして以来6年ぶりであり、今回の訪問時に再会を約束していたのだった。 「ヒロさん…、なんか…(笑)、でかくなってません?」 「うん、90キロまでは測ってたけど、それ以降は恐ろしくて見てない。」 久々にお会いしたヒロさんは「メタボ外道」に進化していた。 「うーん、そういうネグロさんも髪の毛白くなりましたねー。」 「窓際だからねぇ…、気苦労多くてさ。」 といった会話をしながら、東大通を誘ってスコタイホテルの「セラドン」で夕食を摂ることにした。 「中出しモリズカ」君も後で合流する手筈になっている。 6時過ぎにセラドンに到着したが、オープンは6時半だというので、入口近辺でタバコを吸いながら暫し待つ。 やがて通された喫煙席はテラス席の半屋外で、最初は蒸し暑いなと思ったものの、日が暮れるにつれ涼しい風が通るようになり、夕暮れ時に浮かび上がるスコタイホテルのシルエットと併せて、非常に良い雰囲気である。 丁度モリズカ君も到着したので、現地在住のお二人にメニューのチョイスをお任せし、冷えたシンハビールを喉に流し込み、改めてここに帰ってきたのだという実感に浸る。

何でもかんでも「久し振り」が付いてしまうが、久々の本格的なタイ料理に舌鼓を打ちながら、今晩の行動の相談をする。 「ヒロさん、東大通は今回の旅行で取り敢えず撃墜マーク5つが目標です。 できれば前倒しで星を稼いでおきたいので、今晩は3階建てでお願いします。」 「うーーーん、普通の人でも3階建ては厳しいかもよ。 でもどうしてもっていうなら、連れ出し専門カラオケでまず一発、その後ゴーゴーで二発目、後はまたゴーゴーにするかカフェで三発目を狙うってノリかなー。 でも、長時間フライトで飛んできたばかりでしょ? ホントに大丈夫?」 「いや、彼は無茶はしないけど無理はします。 今回の目標達成に命かけてますから大丈夫です。 バブルのような欧州通貨から両替してるのでカネもばっちし持ってます。」 といった会話の流れがあり、まずはタニヤに移動することになった。 東大通の記念すべき一発目のタイまんこGETの手順は、①ヒロさんとネグロは知り合いのカラオケ屋で東大通の終了を待つ、②モリズカ君は東大通を伴って連れ出しカラオケへ行き彼がラブホに消えるまでの手配を行なう、③煩悩と性欲の塊の出立を見届けたモリズカ君は①に合流、④特攻を完遂したのち東大通はおねーちゃんに①まで送ってもらう、と完璧なフローチャートが描けている。 ヒロさんとカラオケ屋で待つこと15分ほど、モリズカ君が戻ってきた。 「お、どうした? 早いな。」 「いっやー、東大さん凄いッスよ。 エレベーターのドアが開いた瞬間にすぐに指差して"この娘"って。 ドア開いた瞬間ですよ。」 「はっやー。」 といった状況報告がなされ、我々は飲みながら待つ事に。 「ネグロさんもやる?」と聞かれたが、まだちょっとその気分にならなかったので、カラオケ屋では遠慮しておいた。 今思えば、横についていた女性も悪くなかったのだが、変に感情移入して今回の短期滞在の行動に足枷が嵌るのが躊躇われたからである。

30分ほどホステス達と他愛もない話をしていると、東大君が上気した顔で戻ってきたので、ショバ替えをすべく席を立つ。 「どうだ? 初めてのタイの女性の感想は?」 「いや、想像以上でした。 最高ですっ!」 「それじゃ次はゴーゴーへ行って更に凄い経験をしてもらおうか?」 との話の流れで、タクシーでナナヘ移動する。 ヒロさん曰く最近ではやはり「レインボー4」が人気だというが、ネグロが通っていた当時は存在しなかった店である。 人並みを掻き分け、階段を上って2階にある「レインボー4」へ向かう。 日本人にとっては三連休、そして土曜日という事も手伝ってか、店内は結構混んでいる。 案内された席にちょっと無理矢理っぽく4人着席し、ステージ上の女性達に目を凝らしながらそれぞれにドリンクをオーダーする。 東大君は多少面食らった様子で、ちょっと挙動不審気味になりながらも「ここはどういうお店ですか?」と聞いてきたので、ゴーゴーのシステムを説明してやると流石に頭の回転が速い、すぐに獲物を狙う目付きに戻っていた。 こっちへ来る前は自分も限界に挑戦してみようかと思ったりもしていたが、懐かしさの方が先に立って女性達の表情や店内の客層などに目がいってしまい、これといって目を引く女性が居なかった事も相俟って、今ひとつのめり込めない自分にちょっとした苛立ちを覚えたりもしていた。 こういう時に一つ有り難いのがタバコが吸えることである。 イギリスもとうとう屋内の公共の場はパブやレストランも含めて全面禁煙となってしまっているので、こうやって間が持たない時にタバコが吸えるのは有り難い。 そうこうする内に東大君は2度目の突撃を決意したようで、彼が3階のホテルで事を済ませる間、我々は同じ階の「Angel Witch」へ移動して待つ事とした。

前の店と比べるとやはり女の子のレベルが若干劣るのか、客の入りも少し少なめである。 まぁ別にやる気満々で入店した訳ではないので、むしろ空いているほうが多少は落ち着いて飲めるというものかもしれない。 そもそもゴーゴーで「落ち着いて飲む」というのも変な話ではあるが。 暇なのでヒロさんと相談して、モリズカ君にふくよかな女性を侍らせてみるかという相談をしていたら、感付かれてしまって頑なに抵抗された。 その内にヒロさんが適当な女の子を横に呼んで話し出したところで、肝っ玉かあさんみたいなママさんがしきりに「この娘どう?」攻撃を仕掛けてきたが、その陰に隠れるようにして笑っていたウェイトレスの娘を呼ぶ事にした。 「君は何で踊らないの?」 「だってスタイル悪いし…、まだ度胸ないし。」といったどうでも良い会話をしていると、また肝っ玉かあさんがやってきて「連れて行け」と。 笑って首を振りながら「この娘は若すぎる、ママだったら連れていくのに。」と返したら、ドッスンと膝の上に座られてしまった。 「あたしオッパイ大きいからねー、ほらっ!!」と垂れ方が男性の睾丸のような胸を揺らして笑っているので、「じゃぁママだったら俺が2000バーツ貰うって事でどうかな?」と言ったら、ガハハハと更に大声を上げて笑っていた。 この段階でママも俺が「買いに来た」のではなく、「楽しみに来た」事を悟ったらしく、その後は「この娘どう?」という言葉は言わずに、(結構重いくせに)ずーっと人の膝の上に座り込んで、ガハハハと笑ってばかりいた。 ネグロとしては、タイの人達のこんなすっこーんとした底抜けの明るさが大好きである。 数百バーツで気分転換になるなら、こんな安い娯楽はないかもしれない。 気がついたら東大君もいつも間にか戻ってきていたので、また店を移動することにした。

バンコックのゴーゴーとくればカマは外せないだろう。 これは東大君にも是非観ておいてもらいたかった。 ネグロ的にはこの無茶苦茶プライドの高い人種が好きである。 入店したお客さんに対して(恐らく自分では最高と思っている)ベストの笑顔を振りまきながらも、態度の端々に「こんなに美しい私を無碍にしたら殺すわよ」ビームが秘められており、客が一人を選ぶとそれまでの愛想もどこへやらプイッと他の席へと移っていってしまう、そんな「彼女」達が面白くってしょうがない。 ということで、ホントはカマ好きと思われるヒロさんの先導で1階の「Obsession」へと移動した。 萌黄色の薄い水着に身を包んだ「彼女」達が一斉にこちらの品定めをし始める。 こちらが着席し、ドリンクを頼んでいる間にも電子レンジの中はかくやと思われるほどの「ビーム」が四方八方から飛んできている。 「こ、これ、全員オカマですか?」ちょっと震え気味の声で東大君が念を押してくる。 「いえーす、竿の有無は別として、全員がサイボーグだ。」との答えには、「いっやー、マジ綺麗な娘多いッスねー。 知らなかったら3発目行ってますよぉー。」とちょっと感動とも恐怖ともつかない感想が返ってくる…、ってこいつはマジでこの短時間で3発いく気満々である。 恐るべしバンコックの魔力。 取り敢えず二人組みでアピールしてきた「娘」達がいたので、両側に侍らす事にした。 名前を教えてもらったが二人とも残念ながら忘れてしまった…。 ただ、左側が積極的なのに対し、右側の娘は英語が上手ではないのか、余り喋らずに肩にもたれかかってきてずーっと甘えているのがこの時印象的だった。 この時点で既に今晩飲んだビールの数も8本程度になっており、合間にジントニックも数杯飲んだ…気がする。 しかし…観れば見るほど二人とも見事なプロポーションであり、無言で誘われた両手に収まっている二人の胸も丁度手のひらから余るくらいの大きさで非常に心地が良い。 ほろ酔い加減も手伝って、ちょっと倒錯の世界を垣間見るのも悪くないかな、などと考えていたところで、東大君がかなり眠くなってきたので帰るという。 「明日又来るね」とお決まりの適当な言葉を吐きながら、しかし後ろ髪を引かれつつ店を後にした。 モリズカ君は明日も仕事が早いとの事でここでお別れした。

ちらちらと東大君には事前情報としてバンコック風俗のバラエティーを話してあったのだが、時計は既に11時頃になっており、ここからカフェへ行く元気は無い様子だったので、「眠いけど、もう一発」という彼の我侭を叶えるには部屋にマッサージを呼ぶしかないという結論に達した。 ヒロさんが知り合いのマッサージ屋に連絡をつけ、今から女性を選ばせてくれるというので、スクンビットの奥へ向かった。 考えてみれば、久し振りのバンコックでまだ一発も発射していなかった訳で、取り敢えずマッサージで一発抜いておくべきかと思い直し、写真を見てロリ系でないやや老け顔の女性を指名した。 「えっ、ネグロさんこの女性でいいの? 見なくてもいいの?」とヒロさんに念を押されたのだが、時差ボケなのか適当に決めて早く帰って横になりたいという気持ちもあり、その場は流しておいた。 そのうち女性がずらーっと15人ほど並び、しまったと思ったがそこは余りガツガツした態度を取るのも大人気ないと考えて、見るだけにしておいた。 東大君はやはり即断即決で小さい可愛い女性を指名していた。 12時頃にサトーンの宿に直接来て貰うように手配して店を退出、ちょっと小腹が空いたので近くにあったラーメン屋でタンメンを食した後、ホテルへ戻る。 それにしても日本に比べれば割高なのかもしれないが、バンコックで食すラーメンの類は比較的美味いと思う。 例えばロンドンのタウン誌で広告を出しているラーメン屋があるが、みそラーメンが7ポンド=1750円!もする。 これに比べるとせいぜい100~150バーツ程度で美味いラーメン類が食せる訳であり、非常に羨ましい気がする。 さて、我々がホテルに到着すると、マッサージ屋からの女性が2人所在無げにラウンジのソファーに座って待っているところだった。

若年性アルツハイマーなのか、はたまたはなからワンナイトスタンドだと思っているからなのか、今回相手して貰った女性達の名前は全くといっていいほど覚えていない。 その場で2,3度繰り返して聞いている筈なのだが、下手すると翌日にはすっかり忘れてしまっている。 残念ながらこの娘も同様で、マッサージもベッドの上でもそれなりに丁寧にやってくれたのだが、名前を覚えるほどの「華」は如何せんなかった。 私の中に眠っている何か、それを呼び起こす強烈なインパクト、そんな「華」を備えた女性はこの時点では今回の訪問でまだ登場していない。 時刻はほどなく深夜1時を回ろうかとするところで、しーんと静まった部屋のベッドの上に寝転びながら、目まぐるしく駆け回った6年ぶりのバンコックの街並みを回想しつつ、私はそんな事を考えていた。 「明日というか今朝は6時起きでゴルフだからそろそろ寝なきゃ。」 そう思いながら眠りに就こうとする私に、翌日何が起こるのか、勿論この時点では知る由も無かったのである。 <DAY TWO>に続く。





番外編: さらば、鴨ちゃん


既に訃報を耳にされた諸氏もいる事と思うが、カメラマンの鴨志田穣(かもしだ・ゆたか)さんが3月20日に永眠された。 42歳の若さでだ。 彼の奥さんは漫画家の西原理恵子さんで、二人の間にはまだ小学生の一男一女のお子さん達がいる。 さぞや後ろ髪を引かれる思いで黄泉の国へ旅立たれたのではないかと思っている。 断っておくが、別に私は鴨志田さんと友人でもないし、面識もない。 彼の生き方・考え方に強く惹かれる面があった、というだけである。



「この人と外道さんのHPと何か関係あるの?」という疑問を持つ方も多いだろう。 少し長い説明になるが、彼は北海道の高校を卒業後に単身タイに渡り、そこを拠点としながら内戦のカンボジアなどでカメラマンとして活動を重ねた、という経歴の持ち主である。 その当時にフリージャーナリストの故・橋田信介さんと知り合い、彼を師と仰いでいた。 橋田さんについては、2004年のイラク戦争取材時にバクダッド付近で襲撃され、甥の小川さん共々殺害されたというニュースを覚えている人達も多いことだろう。 鴨ちゃんのタイでの生活などは、西原さんとの共著である『アジアパー伝』などで垣間見る事ができる。



タイの土を初めて踏んだその日に親切そうな人達に誘われてイカサマ賭博に嵌められて身ぐるみ剥がされて直ぐに帰国せざるをえなかった話、カメラマンになりたいがために再びタイへ向かう飛行機の中で知り合ったタイ人の女性のアパートに転がり込んで路地裏生活を始める話、メコンウィスキーを飲みまくって正体不明になるほど酔いつぶれる話、得体の知れないバンコクの日本人社会で蠢く人達の話、など枚挙に暇がないほどである。 これらのエピソードは、読み手がタイへの渡航経験があるかないか、程度の違いはあれタイの女性達の優しさ・激しさに触れた事があるかないか、などの経験の深さによって受け取り方が違ってくると思う。 気になる人は是非一読してみて貰いたい。



タイを初めとしたアジアを見つめる鴨ちゃんの目は一貫して温かかった。 時には激しく怒りを表しながら、時には大声で泣き声を上げながら、それでも彼がアジアの人達を見る目線は真っ直ぐに前を向いて、いつも同じ高さを保っていた。 エネルギッシュな屋台のおばちゃん、やる気がなく這い蹲っている犬、街並みとアンバランスな夜のオネーサン達の出勤風景、時折息苦しささえ感じられる空気、田舎と都会の格差、タイに馴染もうとしても馴染みきれないでいる中途半端な在タイ日本人達、など、その一つ一つに対して鴨ちゃんと西原さんは暖かい眼差しを注いでいる。



戦場カメラマンとしての活動を通じ幾多の悲惨な現実を彼は目の当りにしてきている。 平和ボケした感さえある安全な日本という場所で、しかも何でも手に入る都会にいる我々からは想像もできないような経験をしている。 小学生くらいの子供からカラシニコフを突きつけられホールドアップされた時に見えたという、薬をやらされて銃を持たされている子供の瞳など我々には思いもよらない世界だろう。 沢山の兵士でない死体も戦場で見てきたそうだ。 そんな悲しい体験が続いたせいか彼はアルコール依存症に陥り、暫く療養生活を送る羽目になった。 その頃から「家族」という自分が属する場所に対する思い入れが強まっていたようだが、「依存症を治せなければ家に入れない」と離婚までされている。 お酒が大好きで大好きで仕方なかった彼が依存症を克服し、西原さんと復縁したのが昨年だった。 もしかしたら彼には早く逝ってしまう自分が分かっていたのかもしれない。



ある意味不器用な人だったのかもしれない。 でもバカが付くくらい真っ直ぐな人だったと思う。 もしかしたら自分の中にもそんな「小さな鴨ちゃん」が住んでいて自然に心が共振して、だから彼の早すぎる死が惜しまれてならないのかもしれない。 タイが大好きな自分に、アジアを心から愛していた鴨ちゃんを投影しているから、寂しい気持ちになるのかもしれない。 今日は鴨ちゃんの冥福を祈りながら、酒をかっ喰らう事にしようか。 合掌。





Vol.3: フランクフルト、ドバイ


昨秋より個人的に色々な事が次から次へと発生し、こちらのHPへの連絡にかなりブランクが空いてしまいました…。 皆様ホントにどうもすみません。 何かの形で情報をお寄せしなければっ!とは日々考えていたのですが、毎日の事に忙殺されてしまい、今日に至ってしまいました。 お陰様で状況はだいぶ落ち着きましたので、今後はまたゆるゆるとご連絡申し上げようと思っています。



話は突然変わりますが、北朝鮮やイラク、そしてバンコクでもそうですが、世界中で地政学リスクの高まりが感じられる、そんな緊張感のある日々が続いているようです。 昔に比べれば日本もかなり物騒な国になったとは思いますが、それでも人口に占める非日本人の割合は低いため、また宗教問題などもさほど影響はないため、そして何と言っても豊かであるため、諸外国に比べれば様々な衝突が起きる可能性は低いようです。 まあ、隣国のとばっちりを受ける可能性は残っていますが。



イギリスにおいても労働人口不足を補うために積極的に移民を奨励してきましたが、ここへきて治安の悪化や生活保護などの過剰厚生費用の増加などの問題から、移民を制限しようというタカ派的なコメントがちらほらと見られるようになって来ました。 以前外道さんも編集後記で触れられていましたが、ことイギリスにおいては「疑わしきはまずタイーホ」です。 その後の犯罪関与の有無については非常に慎重に事が運ばれますが、現場警察官の権限に於いて逮捕は比較的簡単に行なえるシステムになっていますので、知り合いでも引っ張られた人間の数はそれなりの数になります。 ユーロ外道とは関係ありませんが、イギリスもこんな感じでちょっと住みにくくなりつつある、という状況をお伝えしたかったまでです。



さて、今回の本題はフランクフルトとドバイという事ですが、まずはフランクフルトに関してです。 ドイツはユーロ圏の成長の原動力であるのみならず、中東欧ひいてはロシアへの窓口という事でビジネス界ではある意味ホットな街となっています。 アメリカ、日本に続き世界第3位の国内総生産の実力を誇り、シーメンス、ドイツ銀行、ダイムラー・クライスラー、バイエル、フォルクスワーゲン、ルフトハンザ航空、アディダスなどの世界に冠たる実力企業を抱える国ですから、世界中のビジネスマンが集まります。 当然お金が集まる所には綺麗なおネーさん方も集まるの法則に基づき、フランクフルトにもそんな場所があるわけです。



フランクフルトの空港からタクシーで30分程度車を飛ばすと「FKK-OASE」という大きな風俗店があります。 ドイツですので車はアウトバーンをかなり飛ばしますから、時間以上に結構郊外へ行くイメージです。 タクシー代は凡そ70ユーロ程度。 このFKK-OASE、言うなれば巨大な置屋であり、エントランス・フィー(入店料)60ユーロ(約9600円、1ユーロ約160円)也を払って入店すると、そこかしこに全裸・半裸の人間が闊歩しており、好きな時に好みのタイプと交渉して好きな場所で戦闘開始可能、というシステムです。 ワンラウンド(30分以内又は”逝く”まで)のお値段は50ユーロ(約8000円)。 面白いものでこれはいわゆる本番のお値段。 お口やお尻でしたい時は追加料金をパートナーに支払うシステムです。 お口は忘れましたが、お尻が100ユーロ(約16000円)との事。 ある意味几帳面なドイツ人気質が反映されたシステムかと思います。



中にはプールがあったり、ベンチがあったりとまるでリゾート地のような装いの施設なのですが、そこで行われている事はまさに欲望剥き出し。 ふとみると横のベンチでまぐわっている輩がいたり、プールの中で一戦交えている奴がいたり…。 もちろん個室もありますが(笑)。 やはり人種的には中東欧やロシア系が多いように見受けられましたが、中にはアジア系もいたようです。 色んなパートナーと一日のうちで何度も楽しむという意味ではお値打ち感はある場所かもしれません。 明朗会計でもありますし。 ただ病気に関しては自分で気を付けて予防しないとかなり怖いかも知れませんね。 FKK-OASEとタクシー運転手に言えば直ぐに連れて行って貰えるほど有名な場所ですので、チャンスのある方は是非お試し下さい。 また、似たような場所で「WORLD」という所もかなり評判は良いみたいです。 まだこちらは試してはおりませんが。



次にお伝えするのは、これまた原油価格高騰で世界中の注目を集めている中近東のドバイです。 正確に言えばアラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの連邦国家のうちの一つがドバイであり、同じ連邦国家のなかでアブダビが政府機能を担っているのに対し、ドバイは商業都市を目指しそれが大成功を収めている、といえるでしょう。 オイルマネー獲得の窓口として、中近東のイスラム圏の中では比較的ノンムスリムに寛容な雰囲気も手伝ってか、近年のドバイの発展は目覚しいものがあります。 2004年のドバイ空港の利用者数は2087万人と世界で11位で、成田が2660万人で8位、バンコクが2583万人で9位、韓国の仁川が2362万人で10位に次ぐランクです。 関空や名古屋からも直行便が飛んでいます。



湾岸戦争が終わった後の1990年代半ばから、ドバイは外国資本や観光誘致政策に尽力してきました。 まずそれに目ざとく乗っかってきたのがロシアマフィアでしたね。 当時はまだイスラムへの遠慮もあったのか、場所を構えての営業形態ではなくホテルロビーなどでそれと思しき客に声をかけるといった個人営業形式でした。 オープンであるといっても非ムスリムの姿は目立ちますからおおっぴらに営業する事が憚られたためかと思われます。 それから十数年が経ち、欧州からのリッチなリゾート地としての地位を確立し、海岸沿いには高層ビルが立ち並ぶ街並みに変貌した結果、徐々に歓楽街も増えてきたようです。 背景には現在の中近東地域における問題はイスラム教内部での抗争であり、他宗教との抗争がメインではないという事から、西欧的・非イスラム的なものに比較的寛容な雰囲気が蔓延している事が挙げられるかと思います。



ドバイは最近自分で行ったわけではなく、行った事がある現地の方からの話を聞いてお伝えしますので、その点はご了承下さい。 ドバイの街中のホテルの一角に「サイクロン」という名前のナイトクラブが営業しています。 建前上はあくまでも単なるキャバレー(※女性が接客してくれるクラブ)ですが、連れ出しが可能なお店です。 女性が一緒にホテルまで帰るケースもあれば、先に帰って女性が戻るのを待つケースと両方あるようですが、いずれにせよ宿泊先のホテル次第では一緒に部屋に帰る事をホテル側に拒絶される場合も有れば、追加料金を取られる場合などケースバイケースのようです。 聞くところによればアイランド・シャングリラは連れ込みOK・チャージなしという事だそうです。



システムとしては上海や台湾に近いと言えるかと思います。 上海もホテルに戻ると公安に止められたりするケースがあるために、女性のアパートで事に及ぶケースが殆どだと聞いています。 ドバイの場合も、当然国家としてはイスラム教の戒律を守らねばならないため、売買春・賭博・飲酒に関しては建前上厳しく取り締まっているものの、非ムスリムに対してはその適用を緩やかなものとしているという事でしょう。 気になるお値段は、「サイクロン」への入店料金が75UAEディルハム(約2500円、1UAEディルハム≒33円)、ショートは500~1000ディルハム(16500~33000円)、ロングはショートの相場の倍のお値段となっているそうです。



但し、この手の値段というのは①需給関係で変動、②相対で支払うチップなので交渉能力によって変動、します。 ①の観点で言えば前述の通りビジネスマンがドバイへ大挙してやってきている状況ですからかなりインフレ気味との事で、ショートの最低価格近辺でOKというパートナーは「それなりのしかいない…」可能性が大なので、下手すりゃ目をつぶってやらなきゃならない羽目に陥る事もあるとか。 情報提供者曰く、「時間を考えればロングの方がお得かもしれない」との事でした。 ②についてはタイでもそんなところはありますが、相手に気に入って貰えたりするとお安くなったりするそうです。 まあそれなりの語学力も必要になりますが。



今回はこんな感じで、また余り間が開かないウチにお目見えしたいと思います。 では。





vol.2: サウナ


前回レポートした”馬”、見事に潰れました…(笑)。 「何だかドアが閉まってて人が居ない様子だった…。」、「普段休みじゃないはずの日に営業してなかった…。」などの話が仲間内で伝わってくる中、こちらのロクでもない掲示板に『馬、潰れたみたいですね』との書き込みが入りました。 自分達の周りのみならず第三者もそのように言っているという事は、摘発か何かで手仕舞った可能性が高いと思われます。 いつかその日が来る…とそれほど大袈裟なモノではありませんが、やっぱりねぇ…というのが感想です。 とはいえ、その内人づてに情報が回ってくる事でしょうから、またご報告したいと思います。



さて第2回目の今回は、こちらで最もポピュラー(と思われる)サウナについてのレポートです。 こちらへ来てからというもの、そりゃーアジアや日本のサウナが恋しくて恋しくて…。 あの汗をかきまくってクタクタになった身体をマッサージ台の上に横たえ、オイルなんぞを塗られながら強すぎず弱すぎずのタッチで全身をマッサージされるというのは、下手するとセックスより気持ち良いんじゃないかと思うくらい、私は大好きです。



何を隠そうNeguroがこの手の投稿などを書き始めたのは、以前駐在していた場所で出会ったとある方の掲示板がきっかけでした。 インターネットでサウナ情報を探していた時に辿り着いたその掲示板の管理人さんもやはりサウナ好きだったようで、直接お会いした事はありませんでしたが、板上で色々と情報交換をさせて頂きました。 最後の方は(その方が転勤でその国を離れられてしまったため)私がその板の管理人のような状態になっておりましたが、お蔭様で色んな方とも知り合う事が出来ましたし、また外道さんを知るきっかけともなったと思います。 管理人だった方はGEEKさんという方でしたが、今はどこにいらっしゃるのか…、機会があればまたお話ししてみたいものです。



余談が長くなってしまいましたが、こちらのサウナは結構至る所で営業していますが、ピカデリー・サーカスやソーホーといった有名なエリアよりは、中心部よりやや離れた場所に多いような気がしますね。 割と多く集まっているエリアは東側のイズリントン地区、北側のユーストンやチョークファーム、といったエリアでしょうか。 我々は交通の便の事を考えて専ら北の方に出没しています。 営業時間帯は店によってまちまちで、昼間から営業している処もあれば夕方から営業を始める処もあり、これはその都度確認が必要だと思います。



さて今回の話の舞台となるのはロンドンシティのやや北、サウナなどがちらほらと点在するユーストンというエリアにある『スチーム&サン』というお店です。 大きな幹線道路からちょっと道を入った所に位置していて、店の外構えだけを見た限りではさほど怪しい(笑)感じはしません。 通り沿いにもパブや雑貨店などが並んでいて、それと知らないでその道を通ると見過ごしてしまうかも知れないくらいです。



この店のシステムは、ドアを開けて入った所にあるカウンター(受付)にて、まず鞄などの持ち物をその場で預けます。 ここで大きな荷物を預かるというのはある意味セキュリティ上の観点からと無用なトラブルを避けるためと考えられます。 そしてサウナ代としての入場料金20ポンド(約4,500円、1ポンド=225円で計算)を支払うとバスタオルと貴重品を入れるためのビニールポーチを渡してくれますので、それを持って階下のコインロッカーが付設された脱衣所で着ているものをロッカーに入れてスタンバイです。 ロンドンではコインロッカーは1ポンドを入れて鍵をかけるタイプのものが普及しているようです。 この1ポンドは後で戻ります。



脱衣所から休憩室兼待合室(8畳位のスペースで、単に椅子が置いてあるだけ、間違っても日本などの豪華なソファーが置いてあるような場所をイメージしてはいけない)を抜けて、3基あるシャワーを浴びるだけもよし、ショボいサウナ室又は割と大き目のスチームルームで汗を流すもよし、めいめい自由に過ごします。 余り早い時間帯に行くとサウナが暖まっていなかったりするので、スチームルームの方が快適かもしれません。



さっぱりと汗を流したところで、腰にタオルを巻いた状態のまま、先程通ってきた休憩室へ。 初めての時には面食らいますが、さっき入場した時にはいなかったマッサージを施してくれる女性達がいつの間にかずらりと並んで座っています。 午後7時くらいの早い時間帯に行けば6~8名程度、ある程度お客さんが来ている遅い時間帯に行くと2~4名程度が待機しています。 ここにはウォータークーラーはありますが、タバコや酒などは置いていません。 酒は論外として、喫煙者は先程のビニールポーチにタバコも入れておくと面倒がなくていいかもしれませんね。 ともかく、こちらに並んでいる方々がお相手をしてくれる訳で、こちら側に選択権がありますが、アジアのそれとは違って余り商売っ気がないのか、伏目がちだったり周りの女性同士で話をしていたりといった感じです。 今迄数回足を運んだ中で聞いた/見た限りでは、主に東欧出身者が多く、後はスペイン、イタリア、などでしょうか。 偶に台湾出身などのアジア女性もいますが、概してボリュームのある女性達が多いと思われます。



ここで女性を指名すると後を付いて来る様に促され、階段を上がって二階にある個室へと移動します。 部屋へ入ってから女性と価格交渉が始まりますので、それまではキャッシュの受け渡しはありません。 相場は大体ショート(時間の長短に関わらず一発のお値段)で80ポンド(≒18,000円)が下限です。 女性によってはベーシックで100ポンドくらいを言ってくる時がありますが、「友達からは80ポンドがスタンダードだと聞いているが、何か特別なサービスが入っているのか」とか、好みの女性であったなら「じゃぁチップ込みで100でいいよ」など、先方のサービス内容と価格をここできっちり交渉しましょう。 味気無い言い方ですが、こちらでは時間貸しの「レンタルまんこ」という感覚でいたほうが、がっかり感というか喪失感は少ないかもしれないですね。



価格交渉がまとまったらキャッシュを前渡し、サービスを受けます。 余談ですが、一度日本人の部下と一緒に行った時に、私は80ポッキリでする事を終えてシャワーも浴び、タバコをふかしてまっていたのですが、待てど暮らせど彼が帰ってこない事がありました。 何かトラブったのではないかと心配になり、店のスタッフにどうしたかを尋ねようとした時に彼が「すんませーんっ!!!」と戻ってきたので事情を聞いた所、かなり好みのタイプのイタリア人だったので脇が甘くなっていたとの事。 殆ど筍剥ぎに近い状態で、こんな事もしてあげるから●●ポンド、△△ポンド追加してくれたらあんな事もしてあげる、てな感じで結局彼は相場の倍近い180ポンドを払ったとの事。 あんな事やこんな事(笑)もして貰ってたのでえらく時間が掛かったそうですが、「凄く気持ちよかったというより、何か体育会の新しい練習に参加したみたいな感覚で、これなら80ポンドでサクッと一発抜くだけでも良かったかもしれないッス」と感想を漏らしていました。 そんな彼も今では日本に帰国しちゃいましたが…。



彼の場合は上手く女性に乗せられてしまった形ですが、その辺の交渉による値段の相違以外でこのサウナで盗難にあったとかのトラブルになったという話は聞きません。 値段も無難な線ですし、女性のラインアップもまずまず、シティエリアからのアクセスも悪くないという事で及第点のサウナだと思います。 “馬”と違って、「行ったのに営業してなかった」という事も無いと思いますので、ロンドンで手軽な風俗をとお考えの方にはお勧めかもしれません。



追伸: 諸般の事情で感覚が空いてしまいましたが、次回以降はきちんとアップします。 外道さんに「やる気あんのか、ごるぁっ!」と詰めを喰らう前に。 ではまた。






投稿再開にあたって


外道諸氏のみなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。 タイとは縁遠くなって久しいNeguroです。 先日ひょんな事から外道氏にメールを差し上げた際に、こちらの事情でもエッセイ風に綴ってお伝えしようかと思い立ち、外道氏の暖かいご配慮も手伝って、また皆様の前に拙文を披露させて頂く運びとなりました。 思えば転勤に際して「ロンドンに風俗はない!」と外道氏に断言されてしまい(笑)、風俗系の息抜きは諦めていたのですが、こちらへ移り住んで早くも一年が経とうとしており、この間、自分でもしくは同僚や後輩を通じてひっそりとマーケットリサーチを重ねた結果、「これはお知らせせねばならん!」との結論に至りました。



ご存知の通り、国際資本は安価な労働力と新しい市場を求めてイマージングと言われる中進・後進国へと広がっていますが、こちら欧州ではチェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、バルト三国といった、一般に中東欧と称される国々がそれに該当します。 それらの地域には外資系のみならず我ら日系企業も積極的に進出を始めていますが、これに伴いユーロ圏でも外道諸氏の活躍の場が広がっているのではないかとこっそり思い始めました。 つきましては、今後ロンドンをメインにしながらユーロ圏の風俗事情をお伝えしていこうと思っております。




ただ”風俗”という産業(こちらでは字面そのままでsex industryと称しますが)についてお伝えするにあたって、初めに誤解の無きように、人種による性的嗜好の違いについてお話ししておかなければならないと思います。 一般的に、日本人を初めとしたアジア人は裸そのものよりイメージで性欲が掻き立てられるそうです。 例えば、”人妻との出会い”とか”セーラー服”とか、いわゆる”日常の中の非日常”といったシチュエーションを想像して興奮するわけですね。 日本のアダルト・ビデオのバラエティ、特にその”フェチ度”の充実度は世界中で群を抜いていると感じます。




これに対し、欧米人の代表であるアングロサクソン系の方々というのは、モロ出し、つまり裸そのものに興奮するそうです。 顕著な例として、こちらでもポピュラーな”テーブル・ダンシング・バー”、つまりは踊っている女性達に何がしかのチップを払うと照明を落とした個室へ案内されて、そこでセクシーダンスをその人だけに踊ってくれる、というものがあります。 何の事はない、単に音楽に合わせて♪ご開帳~してくれるだけのものですが、欧米人はいたくお気に入りで、某有名外資系金融機関では研修期間中にテーブル・ダンシング・バーに出入りしたスタッフを見せしめの為クビにした、といった逸話まで伝わっています。 Neguroからすると「見るだけで何が楽しいの?」と思うのですが、たまらん♪らしいですね、彼らにとっては。




アダルト向け雑誌も然り。 日本のその手の雑誌のグラビアはやっぱり手順を踏んでいます。 つまり、普段の姿というか、ちゃんと服を着た状態があって、次に徐々に下着を脱いでいき、最後のグラビア数枚がおぉっ!というポーズになっているという。 ところがこちらの雑誌は概ね、服を着ている写真は最初の数枚で、後は観音様のオンパレード。 興奮も減ったくれもありません、医学書じゃねーんだからよぉ…ってな突っ込みを入れたくなるくらいです。 でもこれがこちらではスタンダード。



何となくイメージを持っていただけたと思いますが、つまり我々日本人の嗜好にあった風俗をユーロ圏で期待する事は難しいだろう、という事です。 対象となるお客さんの大半が直球勝負を好んでいる訳ですから、サービスの売り手もそれに合わせた商売形態になる事は必定で、日本で言う「ちょんの間」形式の風俗がメインになっているのは致し方ないのだろうと思います。 まぁ郷に入りては郷に従えですが。



ここで私が知る限りのロンドンにおける風俗業界のバラエティを抜き出してみると、

① サウナ/パーラー: 体のいい置屋だが、最もポピュラー

② フラット/マンション: 個人営業形式の置屋、女性は2~3名程度まで、時に非合法もあり

③ デリバリー: 繁華街の電話ボックスにチラシが張られまくっている、かなり割高

④ 出会い系バー: バーで女性がたむろしており、気に入った女性を連れ出すスタイル

⑤ フリー流し系: こちらは殆どと言ってよいほど見かけません、薬キメてる可能性高し

といった感じで、手だけで…とか口だけで…とかの中途半端(笑)な風俗は皆無といって良いほどです。 逆にキチンと最後まで面倒をみてくれるのが特徴といえば特徴でしょうか。 前述した人種による性的志向の影響もあり、ともすれば「この穴貸します、時間ナンボで」みたいな味気ないものに陥りがちなのかもしれません。



ここまで、今回は初回ということでロンドン風俗事情の俯瞰図をお話しして参りましたが、日本人の方々が比較的よく利用する、通称”ウマ”と呼ばれる業態をご紹介しておきます。 名前の由来はそこで働いている女性達の人種に由来しています。 馬来西亜、つまりマレー系中国人女性がお相手をしてくれる、上述で言えば②の形態に属するお店です。



我々がつてを持っているのはどうやら非合法のお店のようで、時々手入れが入って忽然とお店自体が消息を絶ったりしますし、飲み屋での話題で「例のウマがガサ入れ喰らったらしいぞ…」なんてまことしやかに囁かれたりしています(笑)。 マンションの一室だったり、郊外の一戸建てだったりと、その場所は此処ですと特定できないのが残念です。 もしロンドンに遊びにきた際に”ウマ”に行ってみたければ、その時にロンドン在住の人間に都度確認して貰うしかありません。



現在はシティ北西部の住宅街の一角にある一戸建てに場所を借りて営業しているようです。 料金体系は、30分で70ポンド(約15,000円)、60分で110ポンド(約23,000円)となっており、どちらでもサービス内容に変わりはなく、60分だとゆっくりとできる事くらいがその違いでしょう。 ドアを開けて中に入るとロビーのような場所になっており、そこに出勤している女性達が顔見せしています。 少ない時には2~3名しか待機していない事もありますし、偶々でしょうが6人くらいの中から選り取りみどりなんていうタイミングに当たる事もあります。



パートナーを決めたらその場で指名して、連れ立って同じ建物の中のベッドルームへ向かいます。 部屋に入ったところで時間を伝え代金を支払います。 その後は服を脱いでシャワーを浴び(女性によっては一緒に浴びてくれる娘もいます)、生フェラから始まる一連のサービスに突入するという流れです。 よっぽど気に入ったら最後に多少のチップを渡してあげると喜ばれるのは世界共通ですね。



営業時間は夕方頃から深夜早朝までと特に決まっておらず、日本のように昼間から抜くという事は難しいと思います。 以前に外道氏にも指摘された事があるのですが、本当はみんな大好きなくせに欧州では「風俗=悪」みたいに看做される風潮が強く、真昼間からの営業とか大々的な広告とかは自粛しているのか規制があるのか、あまり見かけません。 ま、確かにタニヤとかパッポンとかも昼間は普通の通りですが。



今後も特にこれといったスタイルではなく、思いつくままにこちらの状況をお伝えしていきたいと思いますので、今後とも何卒宜しくお願いします。 またご質問やご意見も頂けましたら大変嬉しく思います。



2006年6月 WC開催日 Neguro

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