チャットから始まる恋!?  by JP

 紘さん、外道の皆さんはじめまして。JPと申します。普段皆さんの投稿を楽しみに読んでいます。いつもはもっぱり読むばかりだったのですが、ふと思いたって僕も10月におきたちょっと不思議な出会いについて投稿します。これを投稿した段階でも彼女とはまだ関係が続いています。リアルタイムに近い読み物として楽しんでいただければ幸いです。
外道の細道

第四章 グッドニュース

10月も終わりに近づいたある日。僕はヨーに1つのニュースを知らせた。
「ヨー。今日はヨーにいいニュースがあるんだ」
「なになに?」
「ヨーは僕がいつヨーに会いにいけると行ったか覚えている?」
「来年の1月でしょ。覚えているわ」
「それが変わったんだ」
「え、1月に来れないの?いつ?」
「いいニュースって言ったでしょ。実は11月の22日から25日までバンコクに行ける事になったんだよ!」
「本当!?嬉しい!来月あなたに会えるのね!」
「そうだよ。それと何故その日に僕がヨーに会いに行くかわかる?」
「え?・・・あ、ロイ・カートン!?」
「そう!ヨーは僕と一緒にロイカートンに行ってくれる?」
「もちろん!すごく嬉しい!」
「よかった。断られたらどうしようかと思ったよ。だってロイカートンは男女にとって大切な日だよね」
「そうよ。だから断るわけないでしょ!あと1ヶ月で会えるのね」
「僕も楽しみだよ。だって、ヨーとは1度、しかもその時もほとんど話してないもんなあ」
「本当。たった1度だけ」
よかった。これで来月ロイカートンに一緒に行ける。そして初めて一緒に過ごせるんだ。って、そんな事を言っている僕は、ヨーにハマりつつあるのか?そしてヨーはというと、同じくヨーの言葉にも変化が表れてきた。前は、僕の事好き?って聞くと、「次会った時に答えるわ」なんてさらっと交わしてたんだけど最近はこちらから聞かなくても、タイ語や英語であなたが好きと言ってくる。そして彼女からの出勤途中や仕事が終わって帰る頃の電話が増えてきた。さすがに仕事が終わってからの電話は日本時間で明け方の4時や5時なので、少し早すぎるこのモーニングコールは少しつらいけど(笑)それと自分がナナで働いている事をすごく気にするようになってきた。それは自分がというよりも僕が気にしているんじゃないかという気持ちのようだ。自分はナナでずっと働く気はないから心配しないでほしいとか、今日は自分の客が来るからチャットを早く切り上げなければいけないという時も、こちらの反応をすごく気にしている。僕は全然気にしていないと告げると、すごくホッとして、またすごく感謝の言葉を並べる。それに電話にしてもネットカフェにしても金がかかる。つい数日前、1ヵ月後に会える事になったけど、それまでは早くて3ヵ月先でないとこの男に会う事はないわけで、そんな相手に先行投資をするかという話。それなのに僕には金に関する話を一切しない。まだ100%とはいかないまでも、やっぱ多少なりとも特別な感情があるのではと思ってきた。ヨーとのチャット生活も早1ヶ月が過ぎた今でもほぼ毎日のようにチャットをしている。しかも1回のチャット時間は短くても30分、長い時には2時間を超える。たった1度、しかもその時にはまともに会話をしなかった2人が毎日チャットをしていて話す事がそんなにあるのかといえば、正直そんなに内容はない。僕は英語もタイ語もそんな話せるわけでもなく、また彼女も英語がそこまで立派に話せるわけでもない。でもそんな2人でも言葉に詰まるわけでも会話に困るわけでもない。むしろ会話が弾んでいるし 笑いも絶えない。あなたとチャットで話していると笑いすぎるから疲れるとまで言われる。僕も声を出して笑ってしまうような事が多い。そう考えると変な言い方だけど、彼女とは気が合うのかもしれない。あとはwebカメラの重要さも感じた。特に2人の出会いの状況から言えば、お互いの言葉を最初からすんなり信じる事は難しいだろうし、こちらの言葉に対してのリアクションをつい探ってしまうだろう。でもwebカメラがあれば相手の表情で察する事もできる。こちらが発する言葉のリアクションも見れる。そう考えると直接話しているのとほとんど変わりはない気もする。だからこそお互いの距離がこの1ヶ月でずいぶん縮まったのだし、信頼関係も築けた気がする。
もう一度言うが、僕はこの出会いやヨーに対して、正直信じていなかった。相手の腹を探って、もし打算的な態度が見られたらその時点で関係を絶ち切ろうと思っていた。おそらく僕は今後もタイへ行くが、そんな彼女に会わなくてはいけない理由は何一つない。この関係を繋ぎとめておかなくてもタイにいけばいくらでもかわいい女の子に出会える。現に今までもヨー以上にかわいい子なんていくらでもいた。でも、ヨーはそんな態度は微塵も見せず、最初と同じ気持ち、いやそれ以上の気持ちで僕に接してきた。最初に僕に渡した「I like you when I look you first time」の言葉の通りに。これで次に会った時に態度が豹変して、僕を単なるお客さんもしくはカモと感じるような接し方をしてきたのなら、それは彼女の勝ちだ。僕はきっと怒らないだろう。むしろそこまで引っ張った彼女に感心するだろう。もちろんその後の付き合いはないだろうけど。逆にこれで次に会った時にやっぱり彼女が僕を本当に好きなんだと感じたなら、それはまた彼女の勝ちだ。だって僕の気持ちも変えたのだから。というわけで何れの結果が出ても、彼女の勝ちになる。僕は感情を抑え、一歩引いた気持ちで彼女と接しているつもりだったけど、この時点で負けているんだ。いや、この時点ではなく僕が彼女からもらったメモの番号に電話をかけた時点で負けだったのかもしれない。

というわけで第一部はここでおしまいです。内容を読んでいただいてわかるとおり、「へー、こんな事もあるんだなあ」と面白がっていただければと思ったからです。僕も外道の細道でいろんな方の体験談を興味深く読ませていただきました。今度は僕がそう思われたら嬉しいなあとそれだけで投稿してみました。ちなみにヨーとは今もチャットを続けています。最近は僕が会いに行く日に、空港に迎えにくるかレインボーで待っているかを2人で悩んでいます。当日は夜中に到着なので、彼女に迎えに来させるのは悪いなあという気持ちと、でもナナで遅くまで待っているのも疲れるんじゃないかなあという気持ちと両方なんです。彼女はどちらでもとノンキに答えていますが。あともう1つ、僕が空港に着くまで自分のアパートで待っていればという提案もしたのですが、退屈との事で却下でした(笑)もし今回の投稿で皆さんからの感想がさほど悪いものでなければ、実際会った後の話を投稿しようかと思っています。どんな内容になるかは会ってみないとわかりません。ノロケ話になっているかもしれませんし、単なるカモられ男の間抜けな話になっているかもしれません。自分の事なんですが、人ごとのように楽しみだったりします。それでは皆さんもよい出会いを!追伸:当日レインボーで本人探しをするのはやめてくださいね(笑)でも声をかけられれば「そうです」と答えますよ。きっと(笑)





第三章 気持ちの変化



彼女とのチャットを始め数日、ほぼ毎日のようにチャットをしていた。僕が仕事や友達と遊びに行っている日を除いては。明日チャットができないとヨーに告げると決まって表情や言葉で悲しさをアピールした。一方彼女からチャットができないという日はなかった。彼女は心底僕とのチャットを楽しみにしてて、また楽しんでいるようだった。僕はといえば、やはり同じだった。その証拠にチャットを始めて3日目。仕事帰りにwebカメラを買ってしまった。まあ4千円程度の安物ではあったが。これはあなたの顔が見たいという彼女からのリクエストに答えた結果だけど。というより本当は彼女の喜ぶ顔が見たいからかもしれなかった。いやきっとそうだった。チャットをしているうちに彼女は僕の事を、僕は彼女の事を少しずつ知っていった。彼女は、コラート出身の21歳で大学に通いながらプリティーレディーで働いている。3ヶ月前に38歳の 男性と別れた。(相手はタイ人といっているが、日本人の気がする)ナナで働いて2ヶ月。今はボーイフレンドはいない。作る気もない。男の人は信用できない。プラトゥーナムのアパートに一人で住んでいて、家賃は6千バーツ。また彼女はチャットを始め10日ほど経ったある日、携帯の番号を変えた。何でも日本人の客が自分を気に入りしつこく電話をかけてくる。その客が自分は嫌いだからだそうだ。また、ヨーは日本人客をたくさん持っているんだそうだ。そんな事を僕に自慢してどうするんだと思いながら、少し意地悪してこう聞いてみた。
「そっか。ところで僕もその一人?」
ヨーは笑いながら
「違うわよ。だってあなたに一度もペイバーされていないもの」
「そりゃそうだ。でも残念ながら僕はお客にはならないよ。それでもいいの?」
「大丈夫。あなたがお客にならなくても私は他にたくさんお客がいるもの。なんて冗談よ。私はあなたにお客になってほしくてチャットや電話をしているんじゃないわ。私はあなたが好きだから。あの日初めてプリティーレディーであなたを見た時からそう思ったの。」
まあ100%信じるかどうかは別として、僕はどうやら客ではないらしい。そりゃそうだ。ヨーの言うとおりペイバーどころかコーラを奢った事もないんだから(笑)更に彼女は少しして働く店をプリティーレディーからレインボー系の店に変えた。(具体的な店までは言えませんが)理由を聞くと、プリティーレディーは客が少ないんだそうだ。
「あれ?お客さんたくさんいるんじゃなかったの?」
と聞くと
「たくさんいるけど、でも暇な日が多いから」
「あなたは私がレインボーで働くのどう思う?」
と聞いてくるので、
「僕はどちらでもいいけど、レインボーでたくさんお金が貰えるなら、ヨーにとっていい事じゃないの?」
と答えた。正直本当にどちらでもよかった。僕はヨーの恋人でもないし、それにそうだった としてもプリティーレディーで働くのとレインボーで働くのとどこが違うというのか?マッサージパーラーとゴーゴーバーというならわかるけど。でもヨーはそう考えていないようで、たくさんお客がつくと僕が嫉妬するんじゃないかと思っているようだった。きっとこの頃からだった気がする。彼女が僕に対しての気持ちが変わってきたのは。もちろんそれはいい意味でだけど。





第二章 チャット開始



バンコクから戻った翌日。仕事から帰り自宅のパソコンの電源を入れた。hotmailにログインすると、ヨーからのメールが届いていた。内容は、あなたから電話をもらって嬉しい。あなたの写真がほしいからメールで送ってほしい。早くあなたに会いたい。というものだった。あまり自分の画像を送るのは好きではないのだが、仕方ないので携帯で自分の顔を撮り(本当に恥ずかしい)ヨーのアドレスに送ってあげた。僕もヨーと話せて嬉しいよ。僕も会いたい。僕もヨーの画像がほしいという文章を添えて。1時間後携帯が鳴った。ヨーからだった。
「メールありがとう!画像もありがとう!ところで今からチャットできる?」早速チャットのお誘いだ。
「大丈夫だよ。じゃあちょっと待ってて」
と言って携帯を切り、僕もパソコンの電源を入れた。3分後チャットが始まった。彼女は自宅にパソコンがないとの事で自宅近くのネットカフェからだった。しかもwebカメラの画像付きだった。ヨーはかわいかった。自分の記憶以上に。まあ記憶といっても2日前にゴーゴーバーの暗がりで少し見た程度なのであまり覚えていないのが正直なところだけど。どちらかというと幼い感じに見えるヨーは21歳だった。
「何故あなたの画像が見れないの?」
ヨーはそう尋ねてきた。
「僕は自宅からチャットをしているんだけど、自宅にwebカメラはないんだ」
「そうなの?あなたの顔が見れると思ってたのに残念」
「そっか、それは残念だね。今度ネットカフェからでもチャットするよ」
そんなこんなで1時間ほど会話を楽しんだ。そのチャットも彼女の出勤時間が近づいた
という事で終わりを迎えた。
「明日もまたチャットしたい」
「もちろん。僕はだいたいこの時間なら家にいるから」
「わかったわ。じゃあまた明日!」
まさか、毎日続くのでは?と思ったがその予想は現実となる・・・。






第一章 奇妙な出会い

僕が彼女と出会ったのは10月の初旬。日本の3連休に有給を1日つけてバンコクを訪れた最終日の夜だった。訪タイはもう10回を超えるが、今回は3泊4日と非常に短い滞在であり、特にお気に入りの子を見つけることができなかった。そして最終日も誰をペイバーするわけでもなく、とにかく飲めればいいやと思っていた。そんな中でナナのゴーゴーバーをハシゴしたどり着いたのが、プリティーレディーだった。とりあえず席に誘導されシンハービールを注文。周りを見渡すと客もちらほら程度。その理由も納得するくらいの女の子の質。これではナナの巨大な勢力(いわゆるレインボー系)にはかなわないと思った。とはいっても昼にしっかりとエビータで放出している僕はペイバーする元気もなく、楽しく会話ができればいいなあと思っていたので、あまり外見は気にせず、近寄ってきた女の子とくだらない話をしていた。その時、ステージの上から視線を感じた。見上げると一人の女の子がこちらに笑顔を向けて手を振っていた。小柄でなかなかかわいい子だ。僕は軽く微笑み返すと、キャーと言って彼女は照れていた。隣にいる女の子が、彼女があなたの事気に入っているみたいよと教えてくれた。かわいい子にそんな事を言われて嬉しくないわけがない。いつもなら、じゃあ隣に呼んで話をして気分が乗ればペイバーへと話が進むだろうけど、何せ今日は最終日で昼間にしっかりと抜いている。しかも明日は朝早い便で日本に帰らなくてはならないし、何度も言うようにペイバーする気はなかったので、これ以上のアプローチは避けた。しばらくそのまま飲んでいると不意に肩を叩かれた。振り向くとさっきの子だ。 いきなり小さな紙を僕に渡し、去っていった。中身を見ると彼女の名前(ヨー)と携帯の番号とともに
「I like you when I see you first time」と書いてあった。
本当なら小躍りしてもいい状況だけど、さすがに何度かタイに来ていて同じような体験を何度かしている僕は彼女の行動を額面通りには取れなかった。その証拠に、ヨーは僕のところではなく、他の日本人客のところへ向かった。どうやら僕にそのモーションをかける前に既にコーラを奢られていたようだった。しかしヨーはその日本人客に抱き寄せられながらもこちらを見たり、手を小さく振ったりしている。何て女だろうと思いながらも、その日本人客に同情した。しばしビールを飲みながら僕はその姿を何気なく見ていたが、日本人客はヨーを気に入ったらしく、ペイバーする流れになっていた。もしペイバーをその日本人客が諦めるなら少しくらい話をしようと思っていたが、どうやらそれも出来なそうなので、僕は会計を済ませ店を出る事にした。僕が会計をしているのに気づいたヨーは、寂しそうな顔をした。ホテルに帰り荷造りを済ませ、寝ようかと思ったが、連日の夜更かしのせいか、目がさえて眠れない。時計を見ると夜中の3時。あと1時間ほどで出発の時間だ。ふと、つい3時間ほど前に起こった出来事を思い出した。そうだ、ヨーに電話してみよう。あの後ペイバーされていたとしても、ショートだったらもう電話に出れるだろう。そう思い、自分の携帯からヨーの携帯へかけてみる。結果は、電話には出なかった。さきほどの客がロングの要求をしたか、他の客にもう一度ペイバーされたかだろう。ま、それはそれでいいかと簡単に諦めた。それにもし繋がったとして僕は彼女と何を話したかったのだろう?それに出発まであと1時間だし会うわけにもいかないのに。そう考えると自分の行動の意味のなさに思わず苦笑いした。早朝バンコクを発つ飛行機に乗り、成田へは午後に到着。そして夕方には自宅に着いた。家に着いてから早速荷ほどきをし、ひと段落するかしないかくらいの時にいきなり携帯が鳴った。番号に見覚えはないが誰からかはすぐに分かった。日本の電話では考えられない数字の羅列が表示されていたからだった。
「もしもし?」
「ハロー?」
相手の「ハロー?」はタイに行った事がある人なら聞き覚えのある発音だ。
そう、ヨーからだった。
「電話をくれてありがとう。今どこにいるの?」
そっか、僕が次の日に日本へ帰る事を言ってないもんなあ。
「もう日本だよ」
「えー!?なんで?会いたかったのに!」
ヨーは電話の向こうでとても驚き残念がっていた。
「ありがとう。僕もだよ。」
「今度はいつタイに来るの?」
「多分来年の1月かなあ」
「ずいぶん先ね。でも待っているわ。ところでMSNのアドレス持っている?」
「持っているよ。」
「それなら次会うまでチャットしない?」
「喜んで」
なんて会話を交わし、Eメールアドレスの交換をした。電話を切ろうとした時、彼女から意外な質問をされた。
「ところであなたの名前を教えて。年齢は?」
そうだ。彼女の名前は彼女からもらったメモに書いてあったけど、僕の名前は知らないんだった。もちろん名前だけでなく年令も。
「僕はJP。歳は34歳。」
「え?34?25くらいかと思った。だってあなたは若く見えたから」
「ははは。がっかりした?」
「まさか。それじゃ次はチャットで。バイバーイ」と電話を切った。
電話を切った後、今の会話のやりとりを振り返ってみた。彼女は昨日携帯番号を教えた日本人が今日もバンコクにいると思い電話をかけた。あわよくば今夜ペイバーしてもらうつもりで。でもその相手は何と日本に帰ってしまっていた。これからヨーは何を考えるだろう。もう日本に帰ってしまい、しかも少なくても3ヶ月以上バンコクには戻ってこない相手に連絡を取り続ける必要があるのか。しかも1度でもペイバーしてくれた相手ならともかく、自分にペイバーどころかコーラを奢ってもいない相手だ。普通に考えたら連絡を取り続けるメリットはない。僕はヨーにしばらく付き合ってみる事にした。彼女のI like youが社交辞令だと確信するまで。